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【生活図鑑】

ペット販売トラブル(No.354) インターネット・幼齢規制 検討も

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 「ペットを購入したら病気にかかっていた」などペット販売に関するトラブルが増えています。背景には、インターネット販売や、生まれて間もない動物の商品化などの問題も挙げられています。環境省でも悪質販売の規制など、動物愛護管理法の改正を検討しています。何が問題なのでしょうか?

 ペットブームを背景にペットショップも増えています。ペットを取り扱う動物取扱業の登録施設数は、二〇〇九年四月で延べ四万六千二百八十件に上っています。

 同時に、ペット購入などのトラブルも増加しています。国民生活センターによると、消費者からのペット関連の相談は、〇九年度で二千五百六十四件、一〇年度も二千二百九十六件と二千件を超えています。

●一度は対面が必要

 「ネットオークションでペットを購入したが六日で死んだ」などネット販売への相談が増加しています。センターの集計ではインターネットの動物販売相談が〇〇年度の七十一件から〇九年度に三百二十九件と大幅に増加しました。

 環境省の調べでは、ネットオークションの購入だけでも〇七、〇八年の二年間で犬約一万二千六百匹、猫約千九百匹が落札されています。ネットに掲載された写真を見て簡単に購入できる半面、実際に動物を確認できない、説明のないまま病気の動物が落札されるケースもあります。

 環境省の市民を対象とした調査では、73・5%がネット販売に否定的でした。

 このため、動物愛護団体は、劣悪な環境で飼育した動物をネットで販売する悪質業者もいるとして、ネット販売の全面禁止を訴えています。一方、販売業者の賛否は分かれています。小売店などの店舗販売業者の団体はネット販売の禁止に賛成するものの、ネット販売業者には反対意見が強くあります。

 そこで、国は必ず一度は動物と対面させるほか、販売にあたっては飼い方などの説明を義務付ける方向です。

●性格形成に問題も

 子犬や子猫を幼いうちに親から引き離すと、適切な性格形成ができなくなり、ほえ癖、かみ癖などの問題行動を起こすとの研究などが紹介されています。また、早くに母体と引き離すと免疫機能が不足したり、感染の危険性も高まると指摘されています。

 しかし、現行法では販売などについて年齢による規制を設けていません。主要国では、生後八週間は親と一緒に育てるなど、販売や移動を禁止しています。このため、日本でも幼い動物の売買を禁じる規制の必要性が指摘されています。

 動物愛護団体は主要国同様に八週齢未満の販売などの禁止を主張。業界団体は、法などによる一律規制ではなく自主規制として、四十五日齢未満の販売自粛を目指しているとしています。このほか、問題行動を起こさない年齢として七週齢での規制案もあります。

 また、規制対象は犬と猫に限定するのか、それともペット全体なのかも課題となっています。

●悪質業者の排除を

 深夜営業によるペット販売は、周りの雰囲気や飲酒による衝動買いもある、として規制が考えられています。

 また、登録についても悪質業者を排除しやすくするため、登録取り消しの強化なども検討されています。

 年間で犬は約五十六万匹、猫は約七万〜十六万匹(〇八年、環境省推計)が販売されています。ペットは家族という時代、ペットの生命も考えた販売が望まれています。

 制作・宮晶子

 デザイン・刀祢絢子

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