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【生活図鑑】

節電 働き方の見直しとルール(No.360) 労使合意、労基署に届け出忘れずに

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 原発事故などをきっかけに、夏の電力不足が心配されています。政府は、節電目標として15%の抑制を掲げました。これに合わせ、自動車業界をはじめ産業界では、休日の変更やサマータイムの導入などを行います。労働時間、休日の変更はどのようなものがあり、変更する際のルールは?

 労働時間の見直しで、まず考えられているのがサマータイムです。始業・終業時刻を一時間繰り上げ、冷房需要の大きい午前九時〜午後八時の電力需要を減らすのが目的です。このほか、厚生労働省は所定労働時間(企業の就業規則で働くことになっている時間)の短縮や残業の削減なども節電対策になるとしています。

●労働時間を変える

 法定労働時間は、一日八時間、一週原則四十時間です。しかし、豪雪地帯の建設業などでは、冬場に業務を行いにくいこともあります。また、ホテル・旅館業などでは、繁忙期と閑散期がはっきりしている場合があります。

 繁忙期は労働時間を長く、閑散期は短くできる制度として「変形労働時間制」があります。この制度が、夏場に電力需要が高まる時の節電対策として注目されています。

 変形期間には一カ月単位(毎月末が多忙)など、さまざまなタイプがあります。節電対策として有効とされるのは、六カ月程度の期間で労働時間を変形するタイプ(変形期間が一カ月超一年以内のタイプは「一年単位の変形労働時間制」と呼ばれる)です。

 例えば節電対策として活用する場合、夏場の労働時間を短くし、その分を電力需要の低い秋に振り替えます。振り替えにあたっては、特定の日、週に法定労働時間を超える場合でも、原則一日十時間、一週五十二時間が限度とされています。

 このほか、始業・終業時刻を労働者が決めるフレックスタイムや在宅勤務などもあります。

●休みを平日に移す

 労働基準法では原則、週に一日以上の休日を企業に求めています。しかし、土日や祝日を休日と定めているわけではありません。電力需要は土日やお盆の時期に下がります。そこで休日を平日に移動させることも節電対策になります。

 既に自動車業界では、土日の休日を木・金に移す企業もあります。

 また、例えばお盆以外の時期に企業全体や部門別など、計画的に有給休暇の時期を決める制度「年次有給休暇の計画的指定(付与)」も有効です。

 本来、年次有給休暇などは労働者が取得日を指定する権利があります。労使合意の上、一定の時期を休暇期間にすることで節電できます。

●就業規則の変更を

 労働時間や休日は、賃金などと並ぶ重要な労働条件です。労働基準法では、企業が一方的に変更できないよう規制しています。例えば、労働時間の繰り上げや短縮、休日の移動・増加には就業規則の変更が必要です。就業規則は労働組合等の意見を聞き、意見書を添付して労働基準監督署に届け出る必要があります。

 六カ月程度の変形労働時間制を新たに採用するには、就業規則を変更、労組などと労使協定を結び、届け出る義務も加わります。年次有給休暇の計画的指定でも、就業規則と労使協定の両方が必要です。協定は届け出不要で会社員への周知義務にとどまります。

 制度の変更時には、育児や介護といった家族的責任を負う人などへの配慮が欠かせません。厚労省では、労使間で目標を共有しながら取り組むことが大切だとしています。

 制作・生活図鑑担当

 編集・亀岡秀人

 デザイン・伊藤潤

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