東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2011年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

遺言書 こんな場合どうする(No.362) 作成時には厳格なルール

写真

 遺言ブームといわれるほど遺言書作成への関心が高まっています。遺言には、自筆証書、公正証書など一般的に知られている方式以外にも、病気などで死期が差し迫っている場合や、感染症によって隔離されている場合など、緊急時の遺言も認められています。遺言に必要な立会人などは何人か?方式ごとに必要な手続きをまとめました。

 遺言書はすべて書面でなければならないと定められています。したがって録音、録画によるものは法的には無効となります。

●一般的な場合

 自筆証書遺言は、遺言者自身が本文と氏名、日付を自書して、その書面に押印するだけでできる、もっとも簡単で費用のかからない方式です。用紙についての定めはなく、便箋でも原稿用紙でもかまいません。ただし、すべて自書しなければなりません。

 公正証書遺言は、遺言者が公証人と証人(二人以上必要)の面前で遺言(手話通訳も可能)し、その内容を公証人が筆記、公正証書にする方式です。遺言書に遺言者、証人、公証人が署名・押印します。

 遺言の存在を知らせ、しかも他人に内容を知られない方式としては秘密証書遺言があります。

 遺言者が自分または第三者が筆記した遺言書に署名・押印し、それを封入して、さらに遺言書に押印した印で封印したものを、公証人および証人(二人以上必要)の前で、自分の遺言書である旨を申し述べて提出する方式です。

 公証人は封紙に提出日と遺言者の申述を記載し、遺言者、証人、公証人がその封紙に署名・押印します。

 自筆証書や秘密証書では、遺言書の内容に法律的な不備があった場合には、遺言自体が無効となってしまう危険性があります。

●特別な場合

 病気やけがなどで臨終が迫った(死亡の危急)者の遺言も認められています。自筆は難しいため、証人三人以上の前で、遺言者が証人のうちの一人に遺言内容を口述(手話通訳も可能)し、その内容を筆記してもらい、遺言書に各証人が署名・押印します。

 作成した遺言書は、遺言した日から二十日以内に証人または推定相続人などの利害関係者が家庭裁判所に請求して、遺言であるという確認を得る必要があります。

 感染症のために行政処分によって隔離された人や刑務所の服役囚、戦闘、暴動、災害などによって交通途絶地にある人に適用される方式に「一般隔絶地遺言」があります。

 書く人は、遺言者を含め誰でもよいことになっています。この場合、警察官一人と証人一人以上の立ち会いと、遺言者、遺言書の筆記者、警察官、証人の署名・押印が必要になります。

 このほか、船舶に乗っていて、陸地から離れた人のための「在船者の遺言」、遭難した船舶に乗っていて、臨終が迫ったときの船舶遭難者の遺言もあります。現在はあまり例が見られません。

 特別な状況での遺言は、遺言者が自筆など一般的な遺言を作成できるようになった時から六カ月間生存した場合、無効となります。

 制作・生活図鑑担当

 編集・亀岡秀人

 デザイン・浅野裕作

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報