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【生活図鑑】

年金確保支援法(No.383) 滞納保険料 10年納付可能に

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 自営業者などが加入する国民年金では、保険料の納付期間が40年未満なら老齢年金額が減り、25年未満なら原則として支給されません。低年金や無年金を避けるため、過去の保険料滞納分をさかのぼって納付できる期間を現行の2年から10年に延長した年金確保支援法が成立しました。

 老齢基礎年金を受給するには、「原則二十五年以上加入」という受給資格の条件があります。一カ月でも足りなければ年金は受け取れません。

 また、自営業者らが加入する国民年金では、二十歳から六十歳になるまで四十年間(四百八十カ月)、保険料を納付すると、六十五歳から満額の老齢基礎年金を受給できます。

 保険料の納付が二十五年なら約四十九万三千円。加入期間が短ければ、年金額も低額になります。

●3年の時限措置

 無年金、低年金対策の一つとして、保険料をさかのぼって納付できる年金確保支援法が八月に成立しました。

 保険料は、各加入月の翌月末日までに納付します。これを過ぎた場合、さかのぼって納付できるのは二年までです。二年経過後の納付は認められず、保険料は未納として取り扱われます。

 年金確保支援法により、二年の時効を超える滞納分も、さかのぼって特例的に納付できます。さかのぼれるのは、直近十年以内の滞納分です。

 保険料を納付する場合は、当時の保険料に所定の利子分が上乗せされた金額となります。滞納が複数ある場合は、古い期間の保険料から優先的に納付します。既に年金を受給している人は、この制度を使えないなどのルールもあります。 

 当初は、恒久的に過去分を納付できる制度の法案でした。それでは、保険料を毎月納付する本来の仕組みが形骸化し、納付はほぼいつでもよいことになります。その批判から、「施行から三年」の時限措置へと修正されました。結果的には三年以内に納付できる、つまり金銭的に余裕のある人のみが利用できる制度となりました。

●実施時期は未定

 システム改修などを進め、一二年十月までにスタートする予定です。この法律により、最大約千七百万人の年金額が増え、四十万人程度の無年金を回避できるといわれています。しかし、具体的にいつから実施されるのかは未定です。

 その理由としては、年金改革の議論が一方で行われていることが影響しているようです。(1)原則二十五年の受給資格期間を十年程度に短縮する(2)低年金者対策として低所得者の年金に加算を行う−ことなどが議論されています。確保法が今後の制度改正と整合がとれるのか、課題も残っている状態です。

   編集・亀岡秀人

   デザイン・伊藤潤

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