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【生活図鑑】

隣家との境界問題(No.387) 土地の争い 裁判外処理も

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 土地は大変高価な財産です。それだけに、誰でも自分の土地に対する権利意識が高く、隣との境界線をめぐるもめ事などは裁判沙汰に発展することも少なくありません。土地の境界をめぐる法律問題について見ていきます。

●木の根は切り取り可

 民法は境界線を越えた木の根やタケノコは必要な範囲で切り取ってもよいと規定し、裁判でも認められています。これは枝に比べて根は切断しても幹への影響が少ないからだといわれています。

 一方、境界線を越えた竹木の枝は、勝手に切ることはできません。その所有者に伐採するよう求め、対応してもらうことになります。これは竹木の景観への配慮から、所有者に植え替えの機会を与えるためといわれています。

 なお過去の裁判では、隣地から木の枝が越境してきたために、その木を幹から伐採してしまった事案に対して、損害賠償を命じた判決があります。

 さらに、木から落ちてきた果実は、それがなっていた木の所有者のものになります。たとえ自宅の庭に落ちていたとしても、隣の木になっていた果実を無断で収穫することはできません。

●目隠しを付ける義務

 自宅の裏に住宅が建ったために、隣家の窓から家の中が丸見えになってしまった−。この場合は、隣家の窓に目隠しを付けてくれるよう要求することができます。

 民法は、境界線より一メートル未満の距離に他人の家の中が見えてしまう窓や縁側があるときは、目隠しを付けなければならないと規定しています。

●境界線上の塀は折半

 隣家との間に塀を建てたいのに隣人が応じてくれないときは、諦めるか、塀を内側に建てて費用もこちらで負担するしか方法はないのでしょうか。

 民法では、塀の設置費用や管理費用は折半で、境界線上に塀を建てることができるとされています。この場合、塀の所有権は隣家との共有と推定されます。

 一方、塀を境界線より自宅側に自費で建てた場合も注意が必要です。建てた結果、隣家の日当たりや風通しを悪くしたなど日常生活に支障を及ぼしたら、高さの変更や撤去などを命じられることもあります。

●専門機関利用も可能

 これら法律の規定による解決は、あくまで話し合いが行き詰まった場合の手段です。裁判になれば当然、時間も費用もかかります。

 隣家とのトラブルが増えていることもあり、裁判以外に解決する機関なども設置され始めました。具体的には、全国の各法務局に設けられている「筆界特定登記官」制度や、各地の土地家屋調査士会が弁護士会と共同で開設している裁判外紛争処理機関(ADR)である「境界問題相談センター」を利用することもできます。

 こういう事態にならないためにも、日ごろの近所付き合いが大切なのはいうまでもありません。

 編集・亀岡秀人

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