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【生活図鑑】

主婦年金追納法案(No.389) 過去10年分納付可能 不平等の声も

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 会社員世帯などの専業主婦(第3号被保険者)ではなくなったのに届け出なかった人を救済する法案が、国会に提出されています。救済の骨子は<1>届け出により、記録が違っている期間を年金受給資格期間とする<2>すでに受給している人には不整合分の年金の返還は求めない―などです。記録不整合問題が浮上してから1年以上経過し、国としての結論を求められています。一方、専業主婦だけの特例は不公平との声もあります。

 会社員などの夫に扶養される妻は、第三号被保険者として国民年金に加入し、保険料を自ら納めずに基礎年金を受給できます。夫が退職して会社員などでなくなると、妻は第三号から第一号の自営業者扱いとなり、市区町村に届け出て、六十歳になるまで保険料を納める必要があります。

 しかし、届け出を行わず、第三号のままの誤った年金記録がある人が四十七万五千人いるとされています。このうち、年金受給中の人は五万三千人です。

 記録を訂正すると、保険料未納期間が生じ、最悪の場合、年金受給資格期間に達しない人も出てきます。また、年金の減額や過払い分の返還問題にもつながります。

 国は届け出の必要性の広報が不十分だったことも一因として、二〇一〇年に救済策を打ち出しました。しかし、公平感を欠くとして一一年春に撤回。再度、議論を重ね一一年十一月、「主婦年金追納法案」を国会に提出しました。

●届け出でカラ期間に

 救済対象は、これから記録を訂正する人だけでなく、過去に記録訂正した人も含まれます。

 まず、記録不整合の期間は、届け出によってカラ期間(合算対象期間)にします。カラ期間は年金受給資格として計算される一方、年金額には反映されません。

 このため、記録訂正によって、カラ期間を新たに計算すれば、年金受給資格を得られ、無年金でなくなる人も出てくる見通しです。

 ただし、カラ期間になるのは、記録訂正時に保険料を支払えない期間のみです。さかのぼって支払えた、あるいは支払える期間はカラ期間にはなりません。

 次に、年金の減額などを避けるため、保険料納付の時効二年を超えて、過去十年間にある不整合期間について、保険料を追納することができます。六十歳以上の人は五十歳から六十歳になるまでの間の未納分です。追納時には当時の保険料に利息分も上乗せされます。これらは特例措置で、施行後の三年間に限られます。

●受給分は返還せず

 すでに年金を受給している人は、間違っている期間分だけ年金額が多くなっています。このため、過払い分の返還を求める意見もありましたが、老後生活の安定を重視し、返還を求めないことになりました。

 将来の支給分については減額します。減額幅は保険料を追納しなくても、現在の年金額の10%を超えないことになりました。受給者の不整合期間の平均は六・八カ月、月九百円程度の減額です。九割以上の人は上限の10%に届かない見込みです。しかし、受給者で不整合期間が百二十八カ月と十年以上だった人もいるため、減額の上限を定めました。

 減額の実施は、法律の施行からおおむね五年経過後からです。なお、障害基礎年金、遺族基礎年金の減額は行いません。

●救済法案結論出るか

 救済法案は一一年暮れの臨時国会で審議されず、一二年の通常国会以降に持ち越されました。受給者に年金の返還を求めない点などに不公平感が指摘されています。一方、不整合記録は年金制度の問題として受給に関わるだけに、国として結論を出す必要にも迫られています。法案の行方が注目されます。

 編集・亀岡秀人

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