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【生活図鑑】

ひずみを受けた世代(No.392) 増える非正規、ニート 自立に壁

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 日本経済のひずみが、賃金の減少を通して三十代に影を落としています。その年齢層は、二つの世代に分かれます。三十代後半になった「団塊ジュニア世代」と、三十代前半の「ポスト団塊ジュニア世代」です。経済のひずみを受けた世代に何が起こっているのでしょうか?

 三十代は賃金が他の年齢層に比べて大きく落ち込み、住宅ローンなどの負債が多く、結果、消費も低迷しています。年間収入の格差を測る指数(ジニ係数)でも、三十代など若年層での格差の広がりが問題になっています。

 二〇一〇年前後に三十代後半になった団塊ジュニア世代は、人口の多さから生産や消費増につながるとして、日本経済回復の切り札といわれてきました。バブル崩壊後に就職活動した世代でもあります。三十代前半のポスト団塊ジュニア世代の就職も、金融不況とIT(情報技術)バブル崩壊後の厳しい時代でした。

●就職難続くポスト世代

 男性の平均勤続年数はジュニア世代が十年前に比べ7・5%減、ポスト世代も10・7%減と他の年齢層よりも減少幅が大きくなっています。両世代とも、就職難により非正規としての働き方が増えたことが関係していると指摘されています。

 男性の世代別の非正規雇用比率と完全失業率の関係(厚生労働省推計)を調べると、ポスト世代は失業率が二十〜二十四歳時の8・5%から〇九年で4・9%へと改善した一方で、非正規比率は16・9%から13・3%と高水準のままです。ジュニア世代は失業率、非正規比率とも改善されました。女性は両世代とも結婚退職し、後にパートなどの非正規で働くケースが多くなっています。

 厚労省は労働経済白書(一一年版)で、ジュニア世代に比べポスト世代が非正規のままの働き方から抜け出せないでいると指摘し、就職支援が必要だとしています。

●ジュニア世代は空洞化

 ジュニア世代に問題はないのでしょうか。

 ジュニア世代の年齢ごとのニート(無就業・無就学者)数を見ると、二十五〜二十九歳(〇〇年)は十一万人だったのが、三十〜三十四歳(〇五年)は十八万人、三十五〜三十九歳(一〇年)が二十三万人弱と、十年間で二倍になりました。世代に占める割合は2・3%と〇〇年以降、急増しています。男女別では60%以上が男性です。

 この間、ポスト世代のニート数は二十五〜二十九歳時の二十万人から十七万人に減少しています。ジュニア世代でのニート数の増加が目立ち、世代内で空洞化が起きているともいえます。

●同居・未婚率高く深刻

 ジュニア世代ではニート、ポスト世代は非正規とそれぞれ問題を抱える中、次代を担う世代の今後の見通しはどうでしょうか?

 三十五歳から四十四歳で親と同居の未婚者数(就業している人も含む)は、年々増加しています。一〇年には二百九十五万人に達し、同人口の16・1%を占めています。就職しても低収入で自立できず、親と同居するケースが増えているとみられます。

 さらに、親と同居する未婚者の失業率は、同年齢層全体よりも高くなっています。未婚率の高まりなどを考えると深刻な状況です。

 このため、両世代内で今後、格差が広がることにもつながり、日本社会や経済への影響が心配されます。

    制作・亀岡秀人

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