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【生活図鑑】

家計の教育費負担(No.393) 世帯年収減り 在学費用は高止まり

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 受験生を抱える世帯が学費の工面に頭を悩ませる時期となりました。大学生を中心とした今どきの教育費事情を、調査機関のデータから見てみましょう。

 総務省の二〇一〇年家計調査によると、サラリーマン世帯の一カ月の生活費に占める教育費の割合は5・7%と前年より0・4ポイント下がりました。

 世帯主の年代別では、子どもが高校や大学に在学する四十歳代が9%、五十歳代は6%と他の年代より高く、働き盛りの人たちの支出が際立っています。四十歳代は授業料と教科書・学習参考教材の出費が多く、五十歳代は仕送りが大きなウエートを占めています。

 一方、日本政策金融公庫がサラリーマン世帯を対象に行ったアンケートでは、一一年の教育費は減少に転じるものの、世帯年収に占める割合は高止まりのまま推移している実態が浮かび上がってきます。

 小学生以上の子ども全員にかかる一年間の在学費用は、約百九十一万円と前年調査より七万円余り減りましたが、年収に対する割合は平均で37・7%と0・1ポイント増えています。

 年収別でみた在学費用の割合は、収入が低い世帯ほど負担が重くなっています。このうち「年収二百万円以上四百万円未満」の世帯は57・5%と年収の半分以上を占め、家計を圧迫しています。

 世帯年収は平均で約五百六十七万円と前年より六万円近く減少しています。景気回復の遅れから収入が増えない中、旅行・レジャー費や外食費を削るなど、あの手この手の節約で家計をやりくりしてしのいでいる姿が浮かんできます。

●入学先別で大きな開き

 ところで、高校入学から大学卒業までにどれだけ費用がかかるのでしょうか。金融公庫の調査では、子ども一人当たり平均千四十二万円となっていますが、入学先別でみると、国公立大と私立大理系ではかなりの開きが生じます。

 生活費を加えれば、下宿と自宅通学による差は一層広がります。独立行政法人日本学生支援機構が隔年で実施している学生生活調査によると、昼間部の大学学部生の学費と生活費を合わせた一〇年度の学生生活費は、下宿の私立大生が約二百三十六万円なのに対し、自宅から通う国立大生は約百九万円と二・二倍の差がありました。

 教育費の捻出方法としてウエートが大きくなっているのが奨学金です。学生支援機構の調査では、昼間部の大学学部生の奨学金受給者は50・7%と〇八年度調査より7・4ポイント増え、初めて五割を超えました。

 金融公庫の調査でも同様の結果が出ています。特に、「年収八百万円以上」の世帯が「奨学金を受けている」ケースが増加。逆に「預貯金や保険などを取り崩す」ケースが減っているのが目立ちます。

●無償化などの効果も

 国が一〇年度に設けた公立高校の授業料無償化と私立高校などの就学支援金制度は、家計の教育費負担軽減に一定の効果が表れているようです。全国私立学校教職員組合連合が一一年九月末時点で行った抽出調査では、私立高校で三カ月以上の学費滞納者は最低レベル、経済的理由で中退した生徒の割合も過去最低との結果が出ています。

 ただ、長引く不況で家計は依然厳しく、私学の学費が重くのしかかっている現状から、全国私教連は低所得世帯向けの制度拡充を求めています。

  制作・鈴木俊朗

  デザイン・川端乙大

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