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【生活図鑑】

受動喫煙防止(No.395) 全面禁煙か完全分煙へ

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 成人の喫煙率は男性で約3割、女性1割。喫煙者本人だけでなく、受動喫煙による他人への健康被害も懸念されます。労働者の快適な職場環境を目指し、職場の完全禁煙や空間分煙を事業者に義務付ける労働安全衛生法の改正案が国会に提出されています。

 厚生労働省によると、習慣的に喫煙する成人の割合は年々減っています。特に男性の喫煙率は二〇〇三年の約47%から、一〇年には約32%と大きく下がりました。

 国民の生活習慣を改善するための「健康日本21」次期計画では、全体の喫煙率を現在の19・5%から12%程度に下げることが検討されています。

●事業主へ義務付け

 本人が喫煙しなくても、他人のたばこの煙を意思に反して吸わされる受動喫煙が問題になっています。受動喫煙は急性の症状として目のかゆみ・痛みやくしゃみなどにつながり、慢性的にはがんや心臓疾患、呼吸器系疾患の危険を高めると指摘されています。受動喫煙が問題になる場所は家庭や職場、飲食店などです。

 このため厚労省は、職場における喫煙対策のためのガイドラインを設けています。〇三年には、「喫煙室か喫煙コーナーを設置」としていたのを「非喫煙場所に煙が漏れない喫煙室の設置を推奨」と改めるなど、内容の見直しも図ってきました。

 しかし、中央労働災害防止協会の調査(〇九年)では、92%の事業場が何らかの喫煙対策に取り組んでいるものの、取り組み内容がガイドラインに基づいていると答えた事業場は四割弱という結果も出ています。

 厚労省が一〇年に行った調査では、「職場でほぼ毎日受動喫煙の影響を受けている」と答えた男性が約26%に及ぶなど、実際に受動喫煙の影響が自覚されています。

 対策が求められる中、国は一一年十月から、中小の飲食店・旅館などが喫煙室を設ける場合の費用助成や、喫煙室設置に関する技術的な相談、職場内の粉じん濃度を測る機器を無料で貸し出すなどの事業を始めました。

 さらに、快適な職場環境を守るため、事業主に受動喫煙防止の対策を義務付ける労働安全衛生法改正案も国会に提出しています。改正案では、受動喫煙を防ぐために職場の全面禁煙や空間分煙を事業主に義務付ける内容です。罰則はない見込みで、労働基準監督署が実施状況を監督・指導します。

●飲食店などに課題

 飲食店などでは、顧客が減って売り上げに響くなどの懸念から、受動喫煙の防止に積極的でないところもあります。このため経過措置が設けられ、「中小の飲食店など実施が困難な職場では、受動喫煙の程度を低めるために換気などの基準を守るよう義務付ける」ところからスタートします。

 受動喫煙の防止では、神奈川県が一〇年に罰則付きの条例を施行するなど、自治体独自の動きもみられます。国の受動喫煙の防止強化に向けた取り組みが実効性を挙げられるか、法案の行方が注目されています。

 編集・亀岡秀人

 デザイン・浅野裕作

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