東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2012年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

介護報酬改定(No.396) 24時間の新サービス 人材確保カギ

写真

 介護報酬が4月から改定されます。焦点だった介護職員の処遇改善は、国費で行っていた交付金の終了に伴い、新たに介護報酬内で行うようにしました。また、在宅での介護・看護を行えるように24時間巡回サービスを新設しました。改定で介護職員、利用者にどのような影響が出るのでしょうか?

●1・2%増も実質減?

 介護報酬の改定率はプラス1・2%と、前回(二〇〇九年度、プラス3%)に続きプラス改定になりました。その大きな要因の一つが介護職員の待遇改善です。処遇改善交付金は一二年三月で終了します。交付金に代わり月額一万五千円の賃金増を維持するため、加算として介護報酬に組み入れました。

 交付金相当分を介護報酬に組み入れると、プラス約2%に当たるとの説明でした。このため、1・2%(在宅は1%、施設は0・2%)のプラス改定とはいうものの、実質はマイナス改定との指摘もあります。

●改善加算率、幅広く

 賃金改善計画策定などの条件を満たす事業者に、介護職員処遇改善加算が認められます。加算により原則、月額賃金一万五千円増を維持できる仕組みです。ただ、加算率は事業者が実施するサービス内容により、1・1%から4・2%の幅があります。在宅介護が重視される中、訪問介護や定期巡回、夜間訪問などが高い加算率となっています。

 この加算は一五年三月までの三年間のみです。それ以降については、介護報酬のそれぞれの基本サービス費で見るとしています。介護報酬の仕組みとしては自然ですが、果たして処遇改善が続くのかは次回の改定次第です。

 加算についても、これまでも取得しない事業所があり、介護職員の賃金水準が維持されるか課題があります。

 このほか、都市部での報酬を引き上げる見直しを行いました。

●新サービスは定額制

 報酬改定の柱として「定期巡回・随時対応サービス」が創設されました。一日複数回の定期訪問と、必要に応じて介護・看護を二十四時間態勢で行うサービスです。利用者から見れば定期的に訪問してもらえ、何かあったときには駆け付けてくれるという安心感があります。

 利用料は定額制とし、月に何度利用しても同じ額になります。月額利用料は要介護度によって違います。介護・看護一体型のサービスを行う事業者を利用した場合、要介護1の九千二百七十円から要介護5の三万四百五十円になります。

 同サービスは、特に要介護度の中・重度者が住み慣れた家で生活を継続できるようにするのが狙いです。一一年に同サービスのモデル事業として行った中間報告(三十六市区町、利用者三百七十七人)によると、利用世帯は独居・高齢者のみが約七割。要介護度の平均は3で、定期巡回のサービスは排せつ介助、水分補給、体位交換など、時間は二十分未満が58・2%を占めていました。

 また厚生労働省の委託調査では、随時対応のコール件数は一人当たり月約二回との報告でした。

 課題もあります。二十四時間態勢を整えるためには、介護職員の人材確保が重要です。今回の報酬改定で人材確保が実現できるのかが問われています。定額料金で原則何度でも利用できるサービスだけに、ケアプランや緊急時の判断ができるオペレーターの資質なども問われてきます。

 介護度が中・重度でしかも独居・高齢者のみの世帯が増えそうな中、在宅介護が十分に機能するのかが問われています。

    制作・亀岡秀人

     ◆

 次回は18日に掲載します。

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報