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【生活図鑑】

上がる保険料と社会保障(No.403) 問われる負担と給付のあり方

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 介護、医療などの保険料が4月から軒並み値上がりしました。さらに、2025年度の社会保障給付費と保険料の試算も公表されました。社会保障制度の維持のためとはいえ、保険料負担がさらに重くなります。負担と給付はどのようになるのでしょうか?

 二〇一二年四月から保険料負担が重くなりました。

 医療では、七十五歳以上の後期高齢者医療制度の保険料(一二年度から二年間)が、四十三都道府県でアップ。全国平均で月額五千五百六十一円(前期比5・9%、三百十二円増)になりました。年間では前期に比べ三千七百四十四円の負担増です。

 現役世代の保険料も、例えば、主に中小企業の従業員が加入する協会けんぽの保険料率は、全国平均で9・5%から10%へ上がりました。

 介護保険も六十五歳以上(一号)の保険料は全国平均で月額四千九百七十二円(一一年度までの三年間に比べて19・5%、八百十二円増)に上昇しました。四十歳から六十四歳(二号)が支払う保険料負担も重くなりました。

 年金保険料は段階的に上がっています。

●介護保険料は倍増

 では、どこまで負担が重くなるのでしょうか。厚生労働省は二五年度までの社会保障給付費と、それに伴う保険料の推計を示しました。それによると、給付費は一二年度の一〇九・五兆円から二五年度に一四八・九兆円(36%増)になる見通しです。

 内訳は、医療が一二年度の三五・一兆円から二五年度には五割増の五四兆円、介護は八・四兆円から倍増の一九・八兆円となる見通しです。

 社会保障給付費の増大は保険料に跳ね返ります。年金の保険料負担は段階的に引き上げ、一七年度に上限を固定し、給付を抑制していくことが決まっています。

 社会保障と税の一体改革の一部が反映された場合、厚労省の試算によると、医療では二五年度の後期高齢者医療の保険料は月額六千五百円(一二年度比約20%増)になるほか、現役世代の保険料率も上昇します。

 介護は給付費が倍増するのを受け、六十五歳以上の保険料は月額八千二百円(一二年度比約64%増)に、現役サラリーマンの保険料率も一二年度に比べ倍になります。

 消費税率を5%上げても、二五年までの社会保障給付費の増加の見通しからみて、保険料の負担増は避けられない見通しです。加えて、公費負担も増加します。税収が回復しなければ、増税の影が見え隠れします。

●一体改革の行方は

 現状では、社会保障の充実よりも負担先行の感が拭えません。また、一体改革の行方も定かではありません。

 年金では、一元化による新年金制度がどのようになるのでしょうか。

 医療では、後期高齢者医療制度を廃止し、新たな高齢者医療制度を実施する方針が打ち出されています。ただ、実現は疑問との見方が多くなっています。前回の保険料改定の際は、政権の意向をくんで自治体は剰余金や基金などを取り崩し、後期高齢者の保険料を抑制しました。しかし、実現性が不透明な中、自治体の対応も難しくなっています。

 介護も給付費が膨らむ見込みで、保険料の負担増は避けられません。また、十分なサービスを受けられるのか不安が高まっています。

 高齢化が進む中、充実した社会保障は実現できるのか。負担と給付のあり方が問われています。

    制作・亀岡秀人

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