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【生活図鑑】

お薬手帳(No.407) 事故防ぐ効果 普及目指す

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 服用した薬の名称や用量などを記したお薬手帳が注目されています。薬の相互作用や、適切に使用されているかなどを確認し、服薬事故などを未然に防ぐことも期待されています。全年齢層への普及につなげるため、診療報酬も改定されました。

 お薬手帳は処方された医薬品の名前、用量、飲み方などを記録する手帳です。

 東日本大震災の際、手帳を持っていた被災者は服用していた薬、使用状況が確認できました。また、医療チームが交互に活動した避難所では、お薬手帳を作成して薬を管理し、医療処置が効率的に行われました。

 手帳には複数の医療機関にかかっている場合でも、それぞれ処方されている薬が履歴として残ります。これによって、薬の副作用や相互作用、重複して投与していないかなどを確認できるメリットがあります。

 例えば、内科で処方された風邪薬と歯科で出された鎮痛剤が同じ成分の薬という場合もあります。このままでは、二倍の量の薬を服用することになりかねません。手帳があれば、こうした事態も未然に防ぐことができます。

 今後、高齢化や在宅医療化が進む中で、厚生労働省などでは手帳の積極的な活用を掲げています。

●現役世代は4割止まり

 お薬手帳は、一部の薬局などの情報管理サービスとして行われていました。二〇〇〇年度から診療報酬でも評価し、普及を図っています。

 普及率は年々向上しているものの、一〇年で約55%にとどまっています。年齢別では、乳幼児と高齢者の普及率が高くなっています。

 七十五歳以上については、〇八、〇九年度に診療報酬の薬剤服用歴管理指導料でお薬手帳による情報提供が義務化されたことが、普及につながったとみられています。

 しかし、これらの年齢層を除き、普及率は40%を下回っています。厚労省の委託調査でも、手帳を持っていないという患者が約32%いました。全年齢層への普及が重要な課題になっていました。

●診療報酬改定で後押し

 手帳の普及を目指し、四月から診療報酬を変更しました。高齢者への普及につながった手帳の義務化を、報酬に取り入れました。

 従来、薬局では薬剤服用歴管理指導料とは別に、お薬手帳に情報を記載すると、薬剤情報提供料を請求できました。四月からは情報提供料を廃止し、管理指導料に一本化しました。

 これにより、手帳への記載をしなければ、薬局では管理指導料を請求できなくなりました。最近、薬局で手帳を持っているかどうか、よく尋ねられるのはこのためです。

 手帳の重要性は、患者がまず認識しなければなりません。手帳の普及などを図ってきた日本薬剤師会などでは、複数の手帳は一冊にまとめ、毎回、薬局に提示することが服薬事故などの防止につながるとしています。

 将来的に電子化も考えられるなど、手帳が患者に身近なものになるか。患者の意識とともに、薬の管理を行う薬剤師の重要性が高まっています。

   制作・亀岡秀人

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