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【生活図鑑】

国民年金 保険料制度の現状(No.408) 増える全額免除、低下する納付率

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 経済的な理由で国民年金保険料の納付が難しい場合、保険料免除制度を利用できます。免除には全額免除のほか半額など一部免除があります。しかし、経済情勢の厳しさを反映し、全額免除者が増加する一方、半額免除など一部免除の利用は進んでいません。年金改正議論の前に、保険料を納付できる経済状況を、という声も聞こえてきます。

 自営業者などが納付する国民年金保険料は、所得額に関係なく毎月一万四千九百八十円(二〇一二年度)、年間約十八万円です。一方、所得が少なく保険料の納付が困難な人のために、国民年金には保険料免除制度があります。

●未納や滞納防ぐ

 保険料が免除されると、単に保険料を納めない未納・滞納とは異なる扱いになります。免除期間は、原則二十五年以上必要な受給資格期間として計算されます。例えば、保険料納付二十年+保険料全額免除五年なら、老齢基礎年金を受給できます。

 当初の免除制度は全額免除のみでした。生活保護や障害年金受給者が市区町村に届け出ることで免除される法定免除と、所得が少ないことなどを市区町村に申請する申請免除の二つでした。

 全額免除だけでは保険料納付率が向上しないことなどから、国は順次、免除制度を整えてきました。具体的には、〇二年度から「半額」、〇六年度から「四分の一」「四分の三」免除という一部免除制度を設け、所得状況に応じたきめ細かな対応で未納や滞納を防ぐ考えでした。

 受給金額は免除の種類によって違い、〇九年度以降の全額免除なら基礎年金額の半額などとなっています。

●背景には不信感も

 半額免除は減少傾向にあるほか、四分の一免除者は一〇年度に六万人、免除者全体の1%にすぎません。一方で、全額免除を申請する人は増加傾向にあります。全額免除は他の免除よりも所得の基準が厳しいことから、法定免除の増加も併せて考えると、収入面で困窮し、保険料を払えない人が多い実態がうかがえます。

 保険料の納付率も五年連続で下がり、一〇年度は59・3%と過去最低でした。一一年度はさらに納付率が低下する見込みです。免除制度だけでは納付率が上昇しないのが現状です。

 納付率低下の背景には、年金制度そのものへの不信感や収入の減少などが重なっています。また、一部免除の利用者は少なく、制度創設の効果が疑問視されている状況です。国会で社会保障と税の一体改革や年金制度見直しが議論される中、まずは保険料を支払える状況でなければ、改革の掛け声倒れになる恐れもあります。

 編集・亀岡秀人

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