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【生活図鑑】

育休法改正したけれど…(No.421) 父親の育児 新制度利用は低迷

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 少子化対策の一環として改正された育児休業法が本格的に施行されてから、2年余り。改正では、父親の育児休業取得を促進する内容も盛り込まれました。果たして効果はあったのでしょうか?

 男性の育休取得率は、二〇一一年度は2・63%で一〇年度の1・38%のほぼ二倍に増えました。ただ、女性の取得率(87・8%)と比べると、依然として低水準です。男性の場合、取得期間が短いのも特徴です。女性の場合は六カ月から十二カ月未満が全体の約半数を占めたのに対して、男性は五日未満が35・1%(厚生労働省雇用均等基本調査、一〇年度)で最も多く、次いで五日から二週間未満が28・9%でした。

 育休法の改正では、父親も育休を取得しやすいように三つの制度が新設・拡充されました。

 まず、「パパ・ママ育休プラス」。通常、育休期間は一歳までですが、夫婦ともに取得する場合は一歳二カ月まで延長されます。夫婦とも最長で一年間、取得が可能です。

 次に、出産後八週間以内に父親が育休を取った場合、特例としてもう一回育休を取ることができるようになりました。

 また、以前は配偶者が専業主婦(夫)の場合、労使協定で該当する従業員を育休の対象から除外することができました。しかし、改正でこうした協定は禁止になり、育休を取得しやすくなりました。

●認知度はたった2割

 厚労省の実態調査では、低調な利用状況が浮かび上がりました。「三つの制度のいずれも利用していない」と答えた男性(正社員)は87・4%に上りました。

 利用率が最も高かった、専業主婦(夫)の配偶者が育休を取得できる制度でも6・4%でした。男性が制度について「よく知っている」と「だいたい知っている」との答えは、合計で約四分の一にすぎませんでした。

 パパ・ママ育休プラスの利用率は5・6%。男性の認知度は二割強でした。

 最も利用率が低かったのが、産後八週間以内に育休を取得した場合に再度取得が可能になった制度で、利用した人はわずか2・1%でした。認知度は二割強でした。

●希望と現実にギャップ

 調査では、家庭と仕事を両立したいと願いながら、実際には仕事優先になっている男性の姿が浮かび上がりました。希望としては、「家事・育児と仕事を同じくらい重視」が「どちらかというと家事・育児優先」を含め六割を上回っています。逆に実際は、「仕事優先」が「どちらかというと」も含め六割となっていました。

 育休を取得しなかった理由について尋ねたところ、「職場が取りにくい雰囲気だった」「業務が忙しかった」「自分以外に育児をする人がいた」などが多く挙げられました。

 制度の利用しやすさに男女で差があることが、希望と現実のギャップを生み出しているようです。育休制度についての厚労省の企業調査では、「女性は利用しやすいが男性はしにくい」「どちらかというと女性は利用しやすいが、男性はしにくい」という回答が全体の七割弱を占めました。

 男性が積極的に育児を担えるような働き方を実現するためには、制度を活用できる職場環境と雰囲気づくりが欠かせません。柔軟な働き方を支援する企業の取り組みが求められています。

 編集・亀岡秀人

 デザイン・伊藤潤

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