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【生活図鑑】

介護の現状(No.424) 75歳以上の「老老介護」25%超

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 高齢化や核家族化により、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が問題になっています。さらには、認知症の高齢者が認知症の人を介護する「認認介護」の増加も指摘されています。重い負担を強いる高齢者介護の現状は?

 介護が必要な人を男女別で見ると、男性が32・8%、女性が67・2%と女性が七割を占めています。

 また、同居して主な介護をしている人は、配偶者、子、子の配偶者です。男女別では女性が69・4%で、そのうち60%が六十歳以上です。男性でも、介護をしている人の年齢は65%が六十歳以上です。六十歳が高齢者に当たるかは別としても、老老介護は特別な問題でないことを示しています。

 また、同居する介護者と要介護者の年齢割合を見ると、六十歳以上同士、六十五歳以上同士、七十五歳以上同士とも上昇傾向にあります。特に要介護の認定を受ける割合が高まる七十五歳以上同士が25%を超えるなど、深刻な状況です。

 一方、六十五歳以上同士の割合が二〇一〇年に減少しました。これについて厚生労働省では、団塊の世代(調査時で六十一〜六十三歳)が、八十歳以上の親の介護をするケースが増えたと推測。結果的に介護の担い手として六十歳代前半が増加したため、六十五歳以上同士の見かけの割合が下がった、と分析しています。

 六十五歳以上の老老介護の状況は依然、厳しいままであるとみています。

●経済、体力面の負担大

 介護は経済面、体力面などで負担を強いられます。

 介護の費用負担の意識調査では、年金収入で賄うと考えている人が最も多くなっています。しかし、今後、年金財政が厳しくなるなか、年金だけで賄えるのか不安な面もあります。

 同居の介護時間を見ると、「ほとんど終日」が要介護3以上から30%を超え、要介護5では50%にも達しています。「半日程度」も含めると、要介護3から50%を超え、負担の重さを示しています。

 また、ほとんど終日と答えた介護者の70%は女性でした。老老介護では、主に女性が介護していることもあり、介護者の体力面、精神面の問題なども指摘されています。

 体力の衰えた高齢の介護者では、介護による肉体的負担で新たな病気になることがあります。大半の時間を介護に割くことでストレスも大きくなり、「介護疲れ」によるさまざまな問題が表面化しています。また、介護者の死亡による「孤立死」が問題になっています。

●認知症同士も問題に

 介護が必要となった原因として認知症が15・3%、特に女性では17・5%にもなっています。

 要介護認定を基にした厚労省の推計によると、日常生活自立度II(誰かが注意していれば自立できる状態)以上の認知症高齢者数は、一二年の三百五万人から二〇年に四百十万人、二五年に四百七十万人に増加する見込みです。

 一〇年九月末時点の認知症高齢者の居場所では、居宅が半数の百四十万人でした。今後、在宅介護などが増加するとみられ、認知症高齢者を軽い認知症の高齢者が介護する「認認介護」の増加も危惧されています。

 認認介護の正確なデータはなく、認知症対策が急がれます。

 医療・介護とも在宅を基本とする政策が進むなか、地域での見守りなど、老老介護、認認介護にも対応した高齢社会づくりが求められています。

 制作・亀岡秀人

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