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【生活図鑑】

民主党マニフェスト点検(No.428) 目玉政策も「空手形」に

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 民主党が「ばら色の約束」を振りまいて総選挙に圧勝、政権交代してから三年余り。民主党はその約束について検証していますが、あらためて「マニフェスト」と「政策集インデックス」の生活関連分野を独自に点検してみました。

●消費税維持が一転増税

 消費税増税法は、野田佳彦内閣が自民、公明両党と組んで八月に成立させ、税率は二〇一四年四月に現行5%から8%、一五年十月には10%に上がることになります。

 野田首相は一応、「マニフェストに書いていなかったことを実施する」と国民に謝罪しています。確かにマニフェスト本体に消費税についての言及はないものの、インデックスには「税率5%を維持」と明記しています。つまり、書いたことに反するわけです。

 増税で日本の財政がどれだけ改善するか明確ではないのですが、国民生活は確実に直撃されます。第一生命経済研究所の試算では、年収五百万円のサラリーマンの夫と専業主婦、子ども二人の四人世帯では、10%に上がると年間で約十二万円の負担増になるとしています。

●子ども手当の挫折

 次に国民が幻滅したのは、子ども手当です。中学生までの子どもに月額二万六千円を支給するとの触れ込みで、一〇年度からは半額の同一万三千円でスタートしました。

 しかしその後も、財源が足りないなどの理由で満額支給を実現することなく、一二年三月末で子ども手当は廃止。四月から「児童手当」の名称を復活させた新しい手当が始まりました。子ども手当は民主党のマニフェストの中でも、最も有権者の心をとらえた項目の一つだけに、その完全な失敗は民主党政権そのものの挫折を象徴しています。

 子ども手当の主要な財源は、所得税の配偶者控除、扶養控除の廃止・縮減による増税で賄うということでした。このうち配偶者控除の廃止・縮減は、選挙時の主婦層の反発を意識して実施されなかったものの、扶養控除は、十五歳以下の年少扶養控除の廃止・縮減などが実施され、増税になりました。

 増税と子ども手当による所得再分配は、理念としては優れていたものの、結果は増税だけ実施、子どものいる世帯の負担は増えました。

●最低保障年金は棚上げ

 すべての国民に最低で月額七万円を支給する最低保障年金制度も、子ども手当と並ぶ目玉公約でした。しかし、自民、公明などの反対で先送りされました。七十五歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度を廃止する約束も、実現していません。いずれも、社会保障制度改革国民会議で論議することになっており、事実上棚上げです。

●救いは公立高校無償化

 せめてもの救いは、公立高校の授業料無償化、私立高校生への就学支援金が実現したことくらいでしょうか。

 農家の戸別所得補償制度も実現し、農業世帯にはプラスになりました。ただ、それが日本の農業の強化につながるのかどうかは分かりません。

 官僚機構への切り込み不足も目立ちます。マニフェストでは、国の総予算二百兆円余りを組み替え、九・一兆円の財源を生み出すとしていました。実際には、鳴り物入りの第一次事業仕分けで一兆円程度の財源を捻出した程度だったのです。

 民主党が最初からだますつもりだったとは思いませんが、結果的に、国民はだまされました。次の選挙では、どんな反応を見せるでしょうか。

 制作・川北隆雄

 デザイン・高橋達郎

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