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【生活図鑑】

改正高年齢者雇用安定法(No.429) 65歳まで希望者全員を雇用

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 65歳までの雇用確保を定めた高年齢者雇用安定法が改正されました。厚生年金の支給開始年齢引き上げに伴い無収入状態に陥らないようにするのが狙いです。とくに、継続雇用を希望しても従来は基準該当者のみでしたが、改正により原則、全員が雇用されることになりました。改正のポイントは?

 二〇一三年度は、厚生年金(男性の場合)の定額部分の引き上げが完了し、六十五歳からの支給になります。同時に報酬比例部分の引き上げが始まります。男性の年金支給開始は一三年度に六十一歳になり、以降三年ごとに一歳ずつ上昇。二五年度には六十五歳からの支給になります。

 定年退職後、無収入の期間ができるのを防ぐため、高年齢者雇用安定法を改正しました。施行は一三年四月からです。

●半数以上が基準導入

 従来、法律では定年を六十五歳未満に設定している企業に対し、六十五歳までの雇用を確保するため(1)定年の引き上げ(2)継続雇用制度の導入(3)定年廃止−のいずれかの制度を設けることを義務づけていました。継続雇用については、労使協定で定めた基準に達しない場合、希望者を雇用しなくてもよい規定があります。

 雇用確保措置を導入している企業のうち82・5%(一二年六月時点)が継続雇用制度を導入しています。また、継続雇用導入の企業で、希望者全員を雇用としているのは42・8%で、半数以上が基準該当者のみとしています。過去一年間で基準に達しないことを理由に再雇用されなかったのは六千八百五十二人でした。

 このため、一三年度からは継続雇用を希望していても、基準に該当しなければ、収入も年金もない無収入の期間が生じる恐れがあります。

 そこで改正により、労使協定によって継続雇用の対象者を限定する仕組みを廃止しました。希望者全員が継続雇用されます。就業規則で定められた解雇・退職に相当する客観的、合理的な理由があった場合にのみ、継続雇用の対象外になります。

 すでに継続雇用制度で対象者を限定している場合、二五年四月一日まで、報酬比例部分の支給開始年齢以降は、その基準を適用できる経過措置を設けました。

●行政処分も

 希望すれば六十五歳まで雇用されることで、今後、職場の確保も重要になります。従来、継続雇用制度の場合、定年を迎えた会社とその子会社で雇用されていました。改正で雇用先を関連会社まで広げました。

 また、企業が高齢者雇用の賃金や人事処遇制度の見直しを進めるとみられています。指針で、高齢者の賃金、処遇を決める場合は(1)能力、職務などを重視し、雇用、生活が安定するよう段階的な実施(2)継続雇用の賃金は生活が安定するよう努める(3)短時間勤務、隔日勤務制度などの導入−などが求められます。

 六十五歳までの雇用確保を行わない企業について、従来は実施の勧告のみでした。改正では勧告に従わない企業名を公表。助成金支給の停止など、行政処分が科される場合もあります。

 制作・亀岡秀人

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