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【生活図鑑】

介護離職(No.431) 8割は女性 再就職も難しく

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 家族の介護や看護のために離職する介護離職が問題になっています。国が在宅介護を中心に捉えるなか、家族の介護負担をどのように減らし、仕事と両立していけるのでしょうか?離職の現状は。

 介護や看護を理由に離職・転職した人は、二〇〇二年十月から最新のデータである〇七年九月までの五年間に約五十七万人(離職日が判明した人のみだと約五十四万人)に上りました。〇六年十月から〇七年九月までの一年間で十四万四千八百人が離職、五年前に比べて約一・六倍にもなりました。

 離職した80%は女性です。〇二年からの女性の離職のうち、パートなど非正規で働く女性が約二十九万人で、六割を超えています。年齢別に見ると、〇七年九月までの一年間では、五十代が42%で、次いで四十代19%でした。

 女性は就職後、結婚・出産で退職し、子育てを経て、非正規で再就職するケースが多くあります。年々、子育てとの両立が図られ、雇用環境は徐々に改善されてきています。しかし、女性の労働力人口比率は五十歳ごろから低下しています。家族などの介護を担う必要から離職が増加。介護が女性の就業を阻む要因の一つになっているとも考えられます。

●悩みは仕事との両立

 国民生活基礎調査によると、在宅で介護を行う場合、就業している介護者の悩みは「家族の病気や介護」に次いで「自分の仕事」「収入・家計など」が続いています。

 なかでも悩みのある男性介護者の四十代、五十代の半数は、自分の仕事と答えています。

 男性の場合、収入面などを考え、仕事を続けながら介護を行うものの、なかなか両立が難しく、悩む姿が垣間見えます。

 一方、介護離職した場合、一年後も無職のままである人は、就業構造基本調査によると男女計で約70%を占めています。一度、離職すると介護負担の重さなどもあり、なかなか再就職できないという現実が浮かび上がります。

●男性の離職増も懸念

 二〇年度にかけて要介護者は増加していくとみられています。国は、介護を施設ではなく在宅中心としています。このため、介護離職が今後、増加するのではないかと指摘されています。

 〇七年九月までの一年間を見ると、男性の離職数は五年前に比べ一・七倍と女性の一・五倍を上回っています。

 これまで、介護者は女性が中心でした。しかし、高齢社会の到来で、女性だけでは負担しきれず、男性の離職も今後増加するのではないか、と懸念されています。

 共働き世帯が半数を超えるなか、介護と仕事をいかに両立していけるかが課題になっています。

 制作・亀岡秀人

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