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【生活図鑑】

介護と仕事(No.432) 浸透進まぬ介護休業・休暇制度

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 介護離職の増加が懸念されるなか、介護と仕事を両立する制度が欠かせなくなっています。育児・介護休業法では、休業や休暇制度が定められています。しかし、その利用は進んでいないようです。

 家族の介護や看護で離職する人は、働き盛りの四十代、五十代が中心です。離職は現在のところ女性が中心ですが、今後は男性も増加するのではないか、と懸念されています。

 育児・介護休業法では、家族一人につき、介護状態ごとに一回、通算して九十三日まで介護休業を取得することができます。また、要介護状態の家族が一人の場合、年に五日、二人以上なら年十日まで介護休暇を取れます。

●男性4人に1人退職

 介護休業の取得状況から見てみましょう。政府の最新調査である二〇〇八年度を見ると、労働者(正社員や有期雇用でも一年以上勤めている人など)のうち、介護休業取得者は0・06%にすぎません。

 企業側の取り組みも、介護休業期間の制限を行っている事業者が98%で、期間の制限なく取得できるのは1・8%だけでした。取得回数を制限している事業所は80%。家族も介護状態も同じ場合では、法定通り一回というのが95%でした。

 一方、介護休業を取得した人が復職した割合は82・1%で、退職者は17・9%でした。とくに男性では、復職が75・6%、退職が24・4%と休業した四人に一人が退職していました。

 介護休暇は、中小企業について猶予されていましたが、一二年七月から全面施行されました。一一年度の状況を見ると、労働者のうち介護休暇を取得した割合は0・14%でした。取得の男女別では64%が女性でした。取得日数も一日から五日が男女とも約70%でした。

 賃金については、介護休暇の規定のある事業所では約60%が無給となっていました。

●多くが無給…課題に

 休業や休暇が取得しにくい理由には、収入の問題が挙げられています。雇用保険から介護休業給付金(原則、休業開始時賃金の日額の40%)が支払われるものの、無給の企業が多く、収入を考えると休業などを取得しにくいのではないか、と指摘されています。

 また、介護休業では66%が、代替要員なしで同じ部門の社員で対応したなど、職場で休業が取りにくい状況にあることも問題になっています。

 育児・介護休業法で定められた育児と介護の休業期間の違いもあります。育児休業の場合、原則子どもが一歳になるまで取得できます。一方、介護休業は通算しても九十三日で、しかも要介護状態が同じであれば複数回、取得することができません。

 介護は育児と違い、先が見えない、とよく指摘されます。今後、介護の必要な家族が増えるとみられるなか、介護でも短時間勤務制度の活用など、仕事と両立できる仕組みの普及が求められています。

 制作・亀岡秀人

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