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【生活図鑑】

年金記録問題(No.433) いまだ2200万件は宙に

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 2007年に大きな問題となった年金記録。あれから政権交代を経ても、なお記録問題は解決していません。誰の記録か分からない宙に浮いた5000万件の年金記録のうち、持ち主の分からない番号は2200万件もあります。記録確認のため、2月からねんきんネットで持ち主不明の番号を公表し、検索できるようになります。「最後の1人まで調べる」と断言した安倍晋三政権の再登板となった今、記録問題の現状は?

 宙に浮いた年金記録五千万件のうち、一二年九月時点で解明されたのは二千八百七十三万件でした。うち、本人の基礎年金番号に統合されたのは千六百六十六万件、人数では千三百九万人です。

 持ち主が分からず、解明中または解明が必要な記録は二千二百二十二万件あります。このうち、持ち主の手がかりが得られていない記録は九百六十二万件に上っています。手がかりの得られない記録数は、〇七年十二月に二千四百四十五万件ありました。〇九年十二月に千二万件に下がったものの、その後、なかなか減少していません。時間の経過とともに、解明が難しくなっています。

 また、九百二十四万件は本人の記録と結びつく可能性があるものの、ねんきん特別便を送付しても未回答だったり、「自分のものではない」などとされた記録です。

●高齢者記録など未解明

 厚生労働省と日本年金機構の分析(一二年六月時点)によると、年齢では受給世代で判明していない記録が多く、六十歳代、七十歳代で五百万件、八十歳代でも三百万件を超えています。

 加入期間では、判明していないのは五年未満が多くなっています。特に、一年未満では千百五十八万件が未統合で、なかでも三カ月未満の加入記録が多くあります。短期間の加入だっため、本人も気づいていないのでは、と思われます。

●不明は厚生年金に多数

 持ち主が判明していない記録のうち、86・5%は厚生年金・船員保険です。

 判明していない記録数が多い業種は、サービス業、小売業、商社などです。また、不動産、保険、倉庫・運輸関連では、判明していない記録の割合が高くなっています。

 特に、不動産は数人程度の小規模で多く、逆に保険では大規模事業所で判明していない割合が高くなっています。これは不動産は不動産仲介の小規模事業者が多いこと、保険では、専業主婦がセミナーと思い参加した期間、会社が厚生年金の手続きをしたことを知らず、セミナー終了後、被保険者資格の届け出を忘れていたなどの影響があると思われます。

●ねんきんネットで公表

 このため、日本年金機構では、年金記録の確認のため(1)ねんきんネットで死亡者を含めた未統合記録を公開、検索できる(2)年金記録が漏れやすい事例などのパンフレットを作成−などを二月から実施、記録の確認を呼びかけていきます。

 同機構では、特別便を送付した約一億件のうち、千三百万人の記録が判明したことから「九人に一人は記録が判明しているので、気になる記録があれば再確認を」と呼びかけています。

 〇八年五月から一二年五月までで、記録訂正により七百八十五億円の年金が回復しました。六十五歳から受給した場合の生涯額の推計では一兆六千億円になるとしています。一方、経費も既に三千六百億円かかっています。

 また、紙台帳との照合も進むなか、解明されない記録が九百六十万件ほど残る可能性が高くなっています。

 安倍首相は、前回の政権担当時に「最後の一人まで調べ、正しく年金を払う」と断言しました。再度、政権を担う今、年金記録問題にどのような解決策を提示するのでしょうか?

  制作・亀岡秀人

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