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【生活図鑑】

孤立する生活困窮者(No.434) 広がる格差と貧困 支援策は?

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 過去最高の生活保護受給者、なくならない孤独死−経済的に苦しい人や、社会から孤立する「生活困窮者」の支援策が課題に挙がっています。生活保護のあり方も見直されるなか、依然として広がる格差と貧困の問題に、新政権はどのように対応していくのでしょうか?

 生活保護受給者は二百万人を超え、過去最高を更新しています。働くことができるのに職がなく、保護を受ける人も少なくありません。

 また、年収二百万円未満の給与所得者の割合が増加傾向にあるなど、働く貧困層の拡大が挙げられています。非正規で働く比率は年々、上昇傾向にあり、不安定雇用が貧困・格差拡大を生んでいます。若年層では、フリーター数が二〇〇九年から再び増加するなど、非正規比率や失業率が高いままです。 

 離婚によるひとり親世帯も増加しています。とくに、母子世帯は経済的に苦しい世帯が多く、平均年間就労収入は百八十万円ほどしかありません。

 ホームレスの数は〇三年の二万五千二百九十六人から年々減少し、一二年には九千五百七十六人になりました。公園など路上での生活者は減少したものの、ホームレス状態の長期化や高齢化が問題になっています。また、若年者に多い、ネットカフェなど特定の住居を持たない住居喪失者は把握されていないという指摘もあります。

●高齢者犯罪が増加

 少子高齢化が進むなか、単身世帯の割合も増加しています。一九八五年には五世帯に一世帯だった単身世帯割合は、二〇三〇年には三世帯に一世帯になる見通しです。

 高齢者世帯は、三〇年には七世帯に一世帯が単身世帯と予想され、高齢者の孤立化が懸念されています。すでに、孤独死に加え、孤立や経済的な問題から、高齢者の犯罪が増加しています。要介護や認知症患者の増加も予想されるなど、孤立化をいかに防ぐのかが緊急の課題になっています。

 社会的な孤立の懸念は、高齢者だけの問題ではありません。ニート数は六十万人前後で推移しています。若者が引きこもりのままでは、就業経験も積めません。経済的な自立が難しい状況です。

●新就労対策拡充を

 就労支援策として、これまで雇用保険を受給できない人を対象に、職業訓練とその間の手当を支給する「求職者支援制度」が実施されています。また、失業などにより住居を失った人などで就労意欲がある人を対象に原則六カ月間、賃貸住宅の家賃を支給する「住宅手当緊急特別措置事業(住宅手当制度)」も行われています。

 しかし、住宅手当制度は一二年度末で終了する予定です。このため、求職者支援制度と合わせた新たな就労支援策の拡充が望まれています。

 社会的な孤立からの脱却には、個人の事情に応じた支援が必要です。国は、若者の引きこもりなどに対応する「パーソナルサポート」のモデル事業を全国で展開してきました。一三年度以降については、生活困窮者対策に盛り込まれる予定です。また、NPOなど民間団体との連携で、試験的な就労などをサポートする体制の整備も議論されてきました。

 前政権では生活保護制度のあり方とともに、これらを生活支援戦略としてまとめ、進めていく計画でした。

 新政権では、膨らむ生活保護費を抑えるため、段階的な給付削減を検討しています。政権交代で、生活困窮者の支援策がどのようになるのか、注目されています。

 編集・亀岡秀人

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