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【生活図鑑】

母子世帯の就労支援(No.437) 利用進まず生活苦から抜け出せず

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 母子世帯の生活の厳しさが増しています。母子世帯の所得は全世帯に比べ半分以下です。子育てに追われ、雇用形態も正社員は40%以下で、安定した収入を得られていません。国は就業支援を行っていますが、その利用度も高くありません。

 経済が低迷するなか、母子世帯の生活も苦しくなっています。国民生活基礎調査によると、二〇一〇年の母子世帯の年間平均所得金額は二百五十二万三千円で、全世帯平均五百三十八万円の47%にすぎません。稼働所得(就労収入)で見ると百八十一万円しかありません。

●正社員比率が低下

 就労収入が低い理由は、パート・アルバイトなど非正規での働き方が増加し、正社員などの働き方が減少しているためです。

 正社員など期間の定めのない雇用割合は、一九九三年に53・2%でしたが、一一年には正社員で働くのは39・4%にまで下がっています。

 母子世帯になる前に専業主婦など就業していなかった人では、正社員などは31・1%でパート・アルバイトが57・4%と、正社員比率がさらに低くなっています。

 背景には、経済の低迷で正社員になかなか就けない厳しい雇用環境があります。また、子育てに追われフルタイムで働くことが難しいことが指摘されています。さらに、就業経験の少ない二十代以下の母子世帯が増加したことなどが理由に挙がっています。

 国と地方公共団体は、母子世帯の母に対し、さまざまな就業支援を行っています。例えば、就業相談・職業紹介では、公共職業安定所でマザーズハローワーク事業などを進めています。また、市区町村の福祉関係窓口でも、就業・生活相談を行っています。

 さらに、母子世帯の就業、育児・生活の相談・支援のため、母子家庭等就業・自立支援センターで事業を実施しています。

 職業訓練・給付金の代表的なものが自立支援教育訓練給付金事業と高等技能訓練促進費事業です。

 自立支援給付金は、雇用保険に加入していない人などが自治体の指定する教育訓練を受けた場合、修了後に受講費の20%(上限十万円)を支給するものです。また高等技能訓練促進費は看護師、介護福祉士、保育士などの資格取得のため二年以上、養成機関で修学する場合、修学の全期間について原則月十万円の生活費を支給します。

 このほか、貸し付けとして母子福祉資金などの制度があります。

●有効策を模索

 母子世帯の就業支援では、ハローワークでの求職の申込件数と、就職件数は年々増加しています。しかし、経済情勢もあり、ここ数年の就職率は伸び悩んでいます。自立支援センターでの就業相談も同様の傾向です。

 正社員などへの就職を支援するための高等技能訓練は支給件数、資格取得件数ともに増加しています。就業実績も〇三年度に比べ一一年度は二千四百四十二件と十九倍に増加、常勤割合も87%と高くなっています。

 しかし、母子世帯の母がこうした支援を「利用したことがある」割合は高くありません。「ある」との答えが多いのは、ハローワークが69・1%、市区町村福祉窓口が48・9%でした。

 一方、自立支援センターは8・1%、自立支援給付金は4・1%でした。また、高等技能訓練は1・5%と低迷しています。

 就業支援のあり方について、厚生労働省は「孤立しやすい母子世帯への有効な支援を、国と地方が知恵を出しながら続けていくしかない」と強調しています。

 制作・亀岡秀人

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