東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2013年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

均等法と出産・妊娠(No.439) 不当解雇や嫌がらせ いまだに

写真

 女性の意地区休業制度の利用は進んでいるものの、出産後も就業を継続する割合は増加していません。妊娠、出産などを理由にした解雇や不当な扱いが原因の一つとされています。マタニティーハラスメントという言葉もあるなど、実態と課題は?

●仕事続ける人増えず

 第一子出産前後の女性の就業状況の変化を見ると、調査回ごとに出産退職する割合が増加、二〇〇五〜〇九年では43・9%に達しました。一方、就業を継続した割合は微増にとどまり、同年では26・8%でした。

 就業継続を妊娠時に就業していた妻だけで見てみましょう。第一子出産前後で就業継続した割合は、一九八五〜八九年の39%が〇五〜〇九年に38%と、ほとんど変わっていません。

 この間、育児休業を取得して就業を継続した割合は9・3%から24・2%に上昇しています。国立社会保障・人口問題研究所では育児休業制度の利用は拡大しているものの、就業継続は停滞していると指摘しています。

 さらに、正社員と非正規社員(パート・派遣)で見ると、正社員の就業継続割合は40・4%から52・9%へと大きく上昇しました。半面、非正規社員では23・7%から18%と就業を継続した割合が低下しました。

 その間に育児休業制度を利用して就業を継続した割合も、正社員が13%から43・1%へ大きく上昇したのに、非正規社員では2・2%から4%と低迷しています。

●理由に「職場の雰囲気」

 妊娠・出産後に退職した理由のなかでは、「解雇・退職勧奨」が9%、「続けたかったが両立が難しかった」が26・1%ありました。難しかった理由としては、「職場に支援する雰囲気がない」などでした。

 男女雇用機会均等法では、出産・妊娠などで解雇、退職勧奨など不利益な扱いをすることを禁じています。とくに、妊娠中や出産後一年以内に正当な理由もなく解雇するのは無効とされています。

 しかし、解雇を含めた不利益な取り扱いをされたと、労働者が労働局に相談した件数は三千件を超えています。さらに、均等法などに基づいた労働局長による紛争解決援助制度の利用申し立ても年々増加傾向にあります。

 申し立てのケースでは「妊娠を報告したところ、事業主から無給の休業を命じられた」「直属の上司から産休後復職先はないなどの嫌がらせを受けた」「派遣労働者の妊娠を理由に労働契約の更新をしなかった」−などが挙げられています。

●非正規も育休、周知を

 なかでも、就業継続割合が正社員に比べて低いように、非正規社員への対応が十分でないケースがあります。背景には、派遣など非正規労働者への就業継続制度などが理解されていないことがあります。

 派遣労働者も(1)同一事業主(派遣元)に一年以上雇用されている(2)子の一歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる−などの条件を満たせば、育児休業を取得できます。

 しかし、派遣労働者への調査では、育児休業を取得できることを知らなかった、と答えたのは半数以上でした。また、産前・産後休業や育児休業を利用しようとしても「妊娠中の仕事の継続が困難」「産休、育休から復帰後、仕事があるか不安」など、派遣労働者への制度説明や利用促進策が欠けていることがうかがえます。

 連合・総合男女平等局の中島圭子総合局長は「会社に均等法に基づく規定はあっても職場レベルで周知されていないのが実情だ。まず、労使で周知徹底していくしかない」と指摘しています。

 制作・亀岡秀人

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報