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【生活図鑑】

健康日本21(No.440) 求められる政策の実効性

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 「健康日本21(第2次)」が2013年4月からスタートします。これは22年度までの10年間にわたる国民の健康維持に関する具体的な目標を定めたものです。平均寿命の延びを上回る健康寿命の延びなど、新たな目標も掲げられています。主な目標を見てみます。

 新たな「健康日本21」では、十年間の中心的な課題として、健康寿命の延びを挙げています。日常生活を制限なしに過ごせる「健康寿命」は、平均寿命に比べ十年ほど短くなっています。そこで、具体的な数値目標はないものの、平均寿命の延びを上回って健康寿命を延ばすことが目標とされました。

 平均寿命との差が縮まれば個人の生活の質の低下を防ぐだけでなく、医療費の軽減などにもつながるとしています。

●長時間労働是正

 働き方に関する目標としては、長時間労働の改善とメンタルヘルス対策の充実が挙げられています。

 週六十時間以上働く労働者の割合は、一一年で9・3%です。これを二〇年には5%まで低下させる目標です。しかし、国際的に見ると、週五十時間以上の長時間労働が問題になっています。国際労働機関(ILO)の調べでは、日本は長時間労働者の割合が主要国の中でも高く、是正が急務とされています。

 長時間労働は、過労死や脳血管疾患、心の病の発症にもつながりかねません。既に、心の病を理由にした労災申請件数は年々、増加しています。このため、新たな目標ではすべての職場でメンタルヘルス対策を充実させることとしました。

 ただ、対策を盛り込んだ労働安全衛生法改正案が廃案になるなど、実効策が求められています。

●がん検診率向上

 日本人の死因のトップは悪性新生物(がん)です。このため、七十五歳未満のがん死亡率の減少を掲げました。

 高齢がん患者の死亡率は高い傾向にあります。年齢構成を調整した人口十万人当たりのがん死亡率は一〇年に約八十四人でした。一五年には約七十四人へと約12%下げる目標です。

 達成には、がん検診の受診率向上が課題です。受診率は、例えば胃がんで男性約37%、女性約28%です。また、子宮頸(けい)がんの検診受診率は、主要国の中でも低い状態です。一六年度にはすべての受診率を50%に引き上げるとしています。

 受診率向上のためには、検診の周知など課題も多く残されています。

 また、生活習慣病の改善では、〇七年に八百九十万人だった糖尿病患者の増加を抑え、二二年度には一千万人にとどめる目標です。

●喫煙率減少へ

 がんの死亡率の減少や発症予防のため、喫煙率についても数値目標を掲げました。喫煙率は男女合計で一〇年に19・5%でした。そこで「やめたい人(喫煙者の四割)がやめる」ことにより、まず12%へ減らす目標です。

 さらに、受動喫煙もなくすことが目標に挙がりました。具体的には、行政機関や医療機関の受動喫煙率は10%を超えています。これを二二年度にはなくすことが掲げられています。受動喫煙をなくすには、法的措置も必要との指摘も強くあります。

 健康であれば、介護を受ける必要もなくなります。介護予防の充実なども含め、介護保険の利用も抑えられるのではないかとみています。

 健康は、国が目標とする以前に、個人にかかわる問題です。国は実効性のある政策を実施し、個人はあらためて健康を考える必要があります。

  編集・亀岡秀人

  デザイン・刀祢絢子

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