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【生活図鑑】

年金空白期間の繰り上げ受給(No.445) 新たに老齢厚生年金 対象に

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 会社員だった人が受給する「特別支給の老齢厚生年金」の報酬比例部分の支給開始年齢が、4月から段階的に65歳へ引き上げられます。60代前半に年金を受給できない期間も生じます。このため、老齢年金の支給開始を繰り上げることも選択肢の一つです。繰り上げについてまとめました。

 会社員だった一九五三年四月二日生まれの男性の場合、年金は六十一歳から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分のみを受給します。六十五歳からは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給します。このため、退職した場合、六十歳から一年間は年金も給与もない空白期間が生まれます。

 そこで、老齢年金を繰り上げて受給する方法があります。これまでは、六十歳から報酬比例部分が支給されていたため、繰り上げは老齢基礎年金のみが対象でした。会社員だった人の場合、老齢厚生年金の繰り上げも選択肢の一つになります。

●減額率は月0・5%

 老齢厚生年金を繰り上げると、老齢基礎年金も繰り上げて受給する必要があります。

 先の男性の場合では、六十一歳から報酬比例部分を受給するため、老齢厚生年金を繰り上げて六十歳から受給することができます。同時に、本来、六十五歳からの老齢基礎年金も繰り上げて六十歳から受給します。

 繰り上げた場合、年金は減額されます。減額率は老齢基礎年金、老齢厚生年金とも一カ月あたり0・5%です。

 先の男性では老齢厚生年金を一年(十二カ月)繰り上げているので、本来の年金から6%減額されます。また、老齢基礎年金は五年繰り上げで30%減額された額になります。

 厚生労働省のモデル世帯を基に、平均的収入で四十年間就業した会社員とした場合、老齢厚生年金は月額約十万円、老齢基礎年金は約六万五千五百円です。これが、老齢厚生年金の一年繰り上げで約九万四千円になります。また、老齢基礎年金は五年繰り上げで約四万五千九百円になります。

 会社員だった人の場合、報酬比例部分を受け取るようになると、老齢基礎年金だけを繰り上げする方法もあります。報酬比例部分を受給していない年齢まで基礎年金を繰り上げることはできません。なお、自営業者ら国民年金のみに加入していた人は六十歳から繰り上げできます。

 老齢基礎年金を繰り上げた受給者数は二〇一一年度で三百八十六万人で、繰り上げの平均年金月額は四万一千六百五十九円でした。

●見込み額など計算を

 老齢年金の繰り上げには注意も必要です。一度繰り上げを選択すると生涯、減額された年金額になります。途中で戻すことはできません。

 そこで気になるのが、繰り上げと本来の年金受給総額の差です。繰り上げで六十歳から受給した年金総額が、六十五歳から受給した総額を上回る分岐点は、老齢基礎年金のみで考えると、七十七歳ごろになります。ただし、実際は物価変動なども考慮する必要があり、一概には言えません。

 また、退職した人が繰り上げて年金を受給した場合、その後、条件に該当しても、障害年金は受給できません。さらに、六十歳以降も雇用された場合、年金と給与額によって年金額が減額される在職老齢年金制度の適用になるケースもあります。

 繰り上げについては、年金事務所または、ねんきんネットで見込み額などが計算できます。

  制作・亀岡秀人

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