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【生活図鑑】

60歳代前半の在職老齢年金(No.446) 支給額は賃金と調整

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 4月から、希望すれば65歳まで継続雇用される高年齢者雇用安定法が施行されました。これにより、60歳代前半で会社員として働くケースが増えそうです。そこで気になるのが、会社員が老齢厚生年金を受け取りながら賃金を得ると、年金額が減額される在職老齢年金です。60歳代前半の年金と賃金の関係は?

●28万円超で減額

 働きながら老齢厚生年金を受け取ると、年金額が減額される場合があります。在職老齢年金といわれる年金額調整のしくみがあるためです。

 在職老齢年金によりいくら受け取れるかは、(A)年金の月額(基本月額)(B)その月の給与と直近一年間の賞与合計の一カ月分(総報酬月額相当額)の組み合わせにより、人によって異なります。

 また、同じ人でも、総報酬月額相当額が変動すれば、在職老齢年金として受け取れる額も変動します。六十五歳前の在職老齢年金の場合、(A)(B)の合計が二十八万円以下ならば年金の減額なしに全額を受け取れます。例えば、基本月額九万円、総報酬月額相当額十八万円という人は減額されないことになります。

 (A)(B)の合計が二十八万円を超える場合、「(A)が二十八万円以下、(B)が四十六万円以下」「(A)が二十八万円以下、(B)が四十六万円超」など四つのパターンに応じて減額分が決まるしくみです。

 二〇一三年四月は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の六十五歳への引き上げが完了し、報酬比例部分の引き上げが始まります。

 以前は、特別支給の老齢厚生年金は報酬比例部分に加え、定額部分がありました。年金額も多かったため、全額停止になるケースも多くありました。報酬比例部分のみの受給では、全額停止になるケースが少なくなります。

●直近1年間の賞与影響

 ただし、男性で一九四九年四月二日〜五三年四月一日生まれの人は、六十歳から報酬比例部分のみを受け取ります。継続して働いている場合、給与が下がるケースが多いため、在職老齢年金制度で減額されても年金が支給されると思いがちです。

 しかし、六十歳の支給開始時点では、六十歳の直近一年間の比較的高い賞与額で総報酬月額相当額を計算するため、年金が停止になるケースがあります。

●雇用保険給付と調整

 雇用保険には、定年後に減る給与を補って雇用継続を支える給付があります。

 高年齢雇用継続基本給付金は、六十歳以降も継続勤務して給与が退職時点の75%未満に低下した人(六十五歳未満の雇用保険加入者)が受給できます。給与の低下幅が大きい人ほど給付率は高く、最大では61%以下に低下した場合で六十歳以降の給与の15%です。

 高年齢雇用継続基本給付金と年金の両方を受け取る場合、原則として、年金から月給の最大6%分がさらに差し引かれます。

●課題は賃金のあり方?

 これまで、六十歳代前半の労働者は給与、在職老齢年金、高年齢雇用継続給付の三つで生計を賄うしくみでした。

 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は段階的に引き上げられ「年金の空白期間」が今後広がります。最終的に年金の受給は六十五歳からになります。

 このため、六十歳代前半の生活を支えるには、賃金が重要になってきます。高年齢者雇用安定法の施行に合わせて、賃金体系をどのように見直すかが課題となっています。 

  編集・亀岡秀人

  デザイン・佐藤恵理

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