東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 生活図鑑 > 生活図鑑シリーズ・バックナンバー > 2013年の記事一覧 > 記事

ここから本文

【生活図鑑】

認知症対策(No.447) 自宅で暮らせる体制目指す

写真

 2013年度から認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)が始まりました。一人では自立が難しい認知症の高齢者は12年305万人から25年には470万人に増える見込みです。認知症の早期診断・対応を行い、住み慣れた地域で生活できる体制を整える計画です。

 認知症高齢者数は二五年には四百七十万人と、六十五歳以上人口の12・8%になると推計されています。高齢者の八人に一人は認知症になりかねないことを示しています。このため、認知症対策が重要になってきました。

 従来は、認知症の症状が出てから医療機関を受診、重症化した後に施設や精神科病院に入院するといった対応が中心でした。これを、英国などのように早期発見・早期対応に改め、住み慣れた地域で暮らせるようにするのが、一三年度から始まる五カ年計画(オレンジプラン)です。

●早期対策を重視

 計画では、まず市町村が、地域の実情に応じた認知症の適切な医療、介護サービスの流れ(ケアパス)の作成を初年度に推進。二年間で普及を促し、一五年度以降には介護保険の事業計画に反映していきます。

 厚生労働省が示す標準的な認知症のケアの流れは、次のようなものです。本人や家族が認知症と疑ったり、気づいた初期段階で、かかりつけ医や専門チームに相談、受診。認知症の確定診断などののち、必要な医療、介護を在宅で行います。

 医療では、早期に対応するかかりつけ医の認知症への対応力を向上するため、研修受講者を増やし、最終的には五万人(認知症高齢者約六十人に対し一人のかかりつけ医)の受講を目指しています。かかりつけ医に助言などを行う認知症サポート医も四千人(診療所二十五カ所に対し一人のサポート医)の研修を行う予定です。

 病院勤務の医師・看護師向け研修を新たに実施、一七年度末までに八万七千人の受講を目指します。

 また、認知症に対応した医療機関数を五年間で約五百カ所にする計画です。現在は、確定診断を行う認知症疾患医療センターが全国に百八十九あります。これを、二次医療圏(入院に対応できる地域区分、約三百五十)ごとに一カ所整備する考えです。

 さらに、身近な場所で認知症の早期診断・支援を担う新しい「身近型認知症疾患医療センター」をモデル的に実施、そのあり方について調査・検討を行います。

 介護関係では、新たに看護師、作業療法士などの専門家からなる「認知症初期集中支援チーム」を設けます。一チーム二人を想定し、地域包括支援センターなどを拠点に、家庭を訪問し支援を行うとしています。一三年度は全国十カ所でモデル事業を実施、一五年度以降に制度化していく予定です。

 このほか、認知症の人を支援する市町村レベルの地域ケア会議の開催の推進や、認知症サポーター数を最終的に六百万人にしていくことなどが挙げられています。

●支援チーム編成が鍵

 身近型など新たな考え方の医療機関の設置も模索されるなか、順調に認知症対応医療機関が増えていくかが問われています。

 早期対応に欠かせない支援チームの編成も、地域によっては容易ではありません。拠点となる地域包括支援センターの強化も欠かせず、認知症の人とその家族のサポートが十分に整えられるのか、など不安な面もあります。

 今回の計画は、早期対応に力を置いた認知症対策の転換ともいえるものだけに、着実な実行が望まれています。

 制作・亀岡秀人

ご注文はこちらから
 

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報