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【生活図鑑】

成年後見制度(No.448) 増える利用 10年間で3倍に

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 認知症や障害のために判断力が不十分な人を保護し、支援するための成年後見制度の利用が広がっています。今後、高齢化の進展とともに認知症のお年寄りが大幅に増えることも予測され、利用はますます高まりそうです。

 成年後見制度を利用するための家庭裁判所への申立件数は、制度がスタートした二〇〇〇年度の九千七件から一一年には三万一千四百二件と、三倍を上回りました。

 利用者は一一年の場合、六割が女性で、男性は四割でした。年齢別に見ると、六十五歳以上の割合が男性の65・9%、女性の86・2%を占めており、高齢社会を如実に反映しています。また、本人の子が申し立てをしたケースが全体の37・6%で最も多く、次に多かったのは本人の兄弟姉妹で13・9%でした。

●法定は3タイプ

 成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の二つがあります。

 法定後見制度は、判断能力が不十分な人をサポートする制度です。制度を利用するには、本人、配偶者、親族、市区町村長などが家庭裁判所へ申し立てを行う必要があります。

 必要な書類は申立書や本人の財産目録、戸籍謄本、住民票、診断書などです。また手続きに必要な費用の目安は、印紙代など約八千円、鑑定を行う場合は鑑定費用がかかります。

 申し立てを受けて、裁判所は申立人や成年後見人などの候補者と、ふさわしいかなどを判断するため、面接を行います。また、必要に応じて本人とも面接調査をしたうえで審判し、後見人などを選任します。後見人などは状況に応じて親族のほか、弁護士、司法書士など専門職も選ばれます。申し立てを受理してから審判が出るまで、二〜三カ月かかります。

 法定後見には、本人の判断能力に応じて補助、保佐、後見の三タイプがあります。補助は、例えば不動産の売却や金銭の貸し借り、自動車の購入などを適切に行えるか不安があるという人が対象です。保佐は、これらの行為を一人でできない人が対象で、後見はこれらの行為はもちろん、日常生活に必要な買い物もできない人が対象となります。

 後見の対象となる人は判断能力が全くないため、成年後見人は財産に関するすべての法律行為を代理して行います。これに対して、補助人と保佐人の場合は裁判所に代理権の付与を求める申し立てを行い、認められた範囲内で本人の財産を管理します。

●将来のための任意後見

 法定後見制度が既に判断能力が不十分な場合に利用する制度なのに対して、任意後見制度は判断能力があるうちに将来に備えて公正証書で任意後見契約を結んでおくものです。

 手続き費用の目安は、公証役場の手数料一万一千円のほか、法務局への登記嘱託手数料、印紙代、書留郵便料などで、合計約一万六千円です。

 本人の判断能力が不十分になった時点で、本人、配偶者、親族、受任者(後見人になることを引き受けた人)などが、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。裁判所が同監督人を選任すると、あらかじめ結んでおいた契約が発効し、受任者が任意後見人として契約に基づいて仕事を始めることになります。

 任意後見監督人は任意後見人のサポートが適切かどうかチェックして家裁へ報告します。任意後見人の品行が悪いなど不適任な場合は、本人、親族、任意後見監督人の請求で解任することができます。

 制作・中島有希 編集・亀岡秀人 デザイン・刀祢絢子

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