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【生活図鑑】

定年後の医療保険制度(No.456) 国保加入 それとも任意継続?

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 会社員が定年を迎えると、健康保険組合などの加入資格も失います。その後は、国民健康保険への加入以外に、任意継続して健保に加入する方法もあります。一方、大企業に制度化されている特例退職被保険者では、厚生年金の支給開始年齢引き上げで、男性は加入できない空白期間が生じています。それぞれの仕組みを見てみましょう。

 定年退職や継続雇用終了で、健康保険組合や協会けんぽなどの加入資格を失った後は、どうしたらよいのでしょうか?

 退職時の選択肢は、主に四つあります。

●制度で違う保険料負担

 一つ目は、市区町村が運営する自営業者や無職の人など向けの国民健康保険へ加入する方法です。

 保険料は市区町村のルールに沿い、世帯の被保険者の人数や所得額などで決まります。原則、所得額は前年分を用い、退職前の所得が高ければ保険料も高めです。

 二つ目は、勤務先の健康保険の任意継続被保険者になる方法です。退職後二年間に限り、この被保険者になることができます。保険料は、現役時代のような事業主の折半負担がなく、全額を負担します。

 具体的には、退職直前の月給(標準報酬月額)に通常の被保険者と同じ保険料率を掛けた額か、加入者全員の平均額(協会けんぽの場合は二十八万円)を基にした額の、どちらか低い方です。

 被扶養者制度もあり、妻などを被扶養者にしても保険料負担は変わりません。

 国保か任意継続か、保険料では迷うところです。給付については健保組合なら、独自の「付加給付」で有利なところが多く、このあたりが判断の分かれ目になりそうです。

 三つ目は、会社勤めの妻や子どもがいる場合、その被扶養者になる方法です。協会けんぽと健保組合を合わせ、二〇一〇年現在で被扶養者のうち六十〜七十四歳は二百三十七万人います。六十歳以上の場合、年収が百八十万円未満かつ被保険者の年収の原則半額未満ならば、被扶養者になることができます。

 ただし、生計維持の条件があり、特に被保険者と別居の場合は仕送りの事実や計画があるかなどを確認されることがあります。

●特例退職加入できず?

 四つ目は、勤務先の健保組合の特例退職被保険者になる方法です。特例退職被保険者制度があるのは、大企業など一部の健保組合だけです。

 保険料は、現役被保険者の平均月収(賞与の十二分の一を含む)の半額以下として組合規約で定めた金額に、保険料率を掛けたものです。事業主の折半負担はなく、全額本人負担です。被扶養者制度がある点も任意継続被保険者と同じです。加入期間は、七十五歳に達するまでです。

 厚生年金、当該健保組合に二十年以上加入した人が対象です。実際には、資格取得の手続き上で公的年金の証書が必要です。この結果、特別支給の老齢厚生年金の支給開始が六十一歳以降となった男性では、厚生年金の繰り上げ受給をしなければ、特例退職被保険者になれない状態です。

 さらに、女性の年金支給開始年齢引き上げは男性の五年遅れであることから、男女で特例退職被保険者になる時期が異なるという現象が起きています。

 これについて厚生労働省は、今のところ手続きなどを変える予定はないとしています。

編集・亀岡秀人 デザイン・佐藤圭美

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