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【生活図鑑】

学童保育(No.458) 増える利用者 運営基準の策定急務

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 学童保育が法制化されてから15年。留守家庭の増加で需要は年々高まり、施設数は2.1倍、登録児童は2.4倍に達しました。しかし、保育園と異なり、学童保育には設置や運営の基準がありません。そこで基準の策定が進められています。

 厚生労働省の調べでは、法制化が実現した一九九八年に九千七百二十九カ所だった施設数は、二〇一二年には二万一千八十五カ所へ増加し、登録児童数も同様に三十四万八千五百四十三人から八十五万一千九百四十九人へ増えました。

●待機児童「50万人」とも

 厚労省によると、「登録したのに入れなかった児童」(待機児童)の数は、一二年は七千五百二十一人でした。ただ、学童保育では公立公営以外が約六割を占めており、それらの施設に入れなかった児童は数字に含まれません。

 全国学童保育連絡協議会(学童協)は「約百三十万人の子どもが学童保育を必要としていて、潜在的な待機児童は五十万人以上」と推測しており、数字に大きな隔たりがあります。正確な待機児童数は把握できていないのが現状です。

●保育料平均7300円

 学童保育の対象児童は、おおむね十歳未満の留守家庭の小学生です(児童福祉法)。このため、学童保育を利用している児童の学年別の割合を見ると、一〜三年生の低学年が全体の約九割を占めています。

 一五年度から対象児童は六年生までに引き上げられます。既に、実際に利用している学年の上限は、「六年生まで」としている施設が47・8%を占めており、「三年生まで」は34・8%でした。

 また、学童保育の約半数は学校敷地内に設置されています。児童福祉法の改正で、市町村が余裕教室など公的財産を積極的に貸し付ける規定が盛り込まれたため、今後も公的施設の活用が増えそうです。

 終了時刻は遅くなる傾向にあり、「午後六時一分以降七時まで」が全体の54%を占め、「七時一分以降」も5%ありました。「五時一分以降六時まで」は38%でした。

 学童保育では、事業費の二分の一程度を保護者が負担します。学童協の調査では、月額保育料の平均は七千三百三十一円でした。ただ、運営主体によって保育料が大きく異なり、父母会運営の保育料は公立公営の約二倍の一万八百七十二円でした。国の制度として低所得者向けの保育料の減免措置はなく、六割弱の市町村が独自の減免制度を設けています。

●無資格の指導員が3割

 利用が進む学童保育ですが、課題も山積しています。主なものが、現場を支える指導員の待遇や人材確保などです。

 施設の増加や長時間開設などで指導員の数は増加しました。しかし、経費抑制のためにパートなど非正規職員の割合が増加しているのが目立ちます。

 学童協の調査では、指導員全体に占める非正規職員の割合は八割弱を占め、特に公営施設では九割以上が非正規職員です。

 厚労省によると、学童保育で働く指導員のうち、資格保有者として保育士または幼稚園教諭が約三割、幼稚園以外の教諭が約二割、児童福祉経験者が二割弱で、資格を持っていない人は三割弱を占めました。

 現在、指導員の資格や人員配置、施設・設備などの基準について協議が行われており、一五年度から適用される予定です。学童協の真田祐事務局次長は「指導員は保育士か教諭の免許を持っている人に限定する必要がある」と要望しています。

  制作・中島有希

  編集・亀岡秀人

  デザイン・高橋達郎

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