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【生活図鑑】

老齢年金の繰り下げ受給(NO.464) 年金が最大42%増額 加給年金に注意

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 65歳以降に受給する老齢年金は繰り下げることができます。繰り下げれば増額された年金を生涯受け取ります。高齢者の雇用が拡大するなか、60代後半も収入がある人や、経済的に余裕があれば年金の繰り下げも選択肢の一つです。繰り下げの手続きや注意点は?

 本来、六十五歳からの老齢年金の受給開始時期を遅らせ、年金額を増やすのが繰り下げ受給です。

 会社員だった人は、六十五歳以降、老齢基礎年金と老齢厚生年金の二階建てで年金を受け取れます。繰り下げについては、老齢厚生年金のみ、老齢基礎年金のみ、両方という三つの方法から選べます。自営業者ら国民年金のみの人は、老齢基礎年金が対象です。

 手続きとしては、六十代前半の老齢厚生年金を受給していた人で、老齢基礎年金、老齢厚生年金のいずれかを繰り下げる場合は、年金請求書の該当欄に○をして返送します。両方を繰り下げる場合は返送しません。

 自営業者ら老齢基礎年金のみを受給する人で繰り下げる場合は、請求書を提出しません。

 受給したい時期に請求書と繰り下げ申し出書などを提出します。繰り下げは六十五歳から最大六十カ月で、七十歳以降は繰り下げできません。

●分岐点はいつ?

 繰り下げは六十六歳までは一年間、その後は一カ月単位で行えます。繰り下げをすると、六十五歳(受給権取得)から受給の申し出をするまでの月数により、一カ月単位で0・7%分増えます。例えば年額六十万円の年金を受け取れる人が六十六歳で請求(十二カ月繰り下げ)すると8・4%増の約六十五万円、七十歳まで最大六十カ月繰り下げると42%増の約八十五万円となります。

 六十五歳から受給する場合と繰り下げた場合とで、年金総額はどうなるのでしょうか? 六十六歳に一年間繰り下げた場合、七十八歳ごろが分岐点となり、それ以降は繰り下げた方が総額で上回ります。一年繰り下げるごとに分岐点も七十八歳から一歳ずつ上がり、七十歳に繰り下げた場合の分岐点は八十二歳ごろになります。

 繰り下げる場合は、分岐点や平均余命なども考えながら判断することが必要です。

●気をつける点も

 六十六歳前に遺族年金や障害年金を受けている人は、老齢年金を繰り下げることはできません。また、六十六歳以降、七十歳になる前に遺族年金などを受給できるようになると、その時点までの繰り下げ増額しか認められません。

 会社員だった人の場合、さらに注意が必要です。老齢厚生年金を受給する人(原則、厚生年金の加入二十年以上)に六十五歳未満の配偶者がいると、加給年金が付く場合があります。しかし、繰り下げている期間は加給年金が支給されません。一九四三年度以降生まれの場合、加給年金は加算を含めて年額約三十九万円。繰り下げる場合、加給年金額も考えて行う必要があります。

 また、六十五歳以降も働いて厚生年金に加入し、賃金との関係で老齢厚生年金額が減額される「在職老齢年金」が適用される人もいます。この人が老齢厚生年金を繰り下げた場合、増額対象は在職老齢年金により減額されなかった部分だけです。

 繰り下げた場合の試算は、ねんきんネットでも行えるようになっています。

 編集・亀岡秀人

 デザイン・佐藤圭美

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