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【生活図鑑】

無償労働(No.467) 専業主婦の家事・育児は304万円

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 家事や介護・育児、ボランティア活動などの無償労働を貨幣価値に換算すると、女性の場合、1人当たり年間で約192万8000円、専業主婦で約304万円、男性は約51万7000円になります。その内訳は。

 「無償労働」は▽炊事、清掃、洗濯、縫い物、家庭の雑事からなる家事と、介護、育児、買い物▽ボランティアなどの社会活動−に分類されます。この価値を内閣府は、家事などをする代わりに働いていたら得られたはずの賃金(逸失利益)を当てはめて計算しました。

●炊事が116万円

 家事労働の主な担い手となっている女性について詳しく見てみましょう。

 無償労働の貨幣換算額(二〇一一年)は、女性全体で一人当たり百九十二万八千円でした。専業主婦は三百四万一千円、労働時間は二千百九十九時間。一二年の賃金構造基本統計調査によると、劇場や野球場、遊園地など娯楽施設で接客をする人の年収に相当します。

 専業主婦の無償労働報酬の内訳は、多い順に(1)炊事(38・1%、百十六万円)(2)清掃(15%、四十五万五千円)(3)育児(14・1%、四十二万八千円)(4)買い物(13・1%、三十九万七千円)−でした。

 兼業主婦の貨幣換算額は二百二十三万四千円、労働時間は千五百四十時間でした。内訳は、(1)炊事(41・6%、九十三万円)(2)買い物(14・3%、三十一万八千円)(3)清掃(13・8%、三十万九千円)(4)育児(10・5%、二十三万五千円)−で、買い物が清掃と育児を上回っていました。

 女性のパート労働者(平均年齢四五・一歳)の平均年収は四十代後半で約百十一万五千七百円。この数字を上乗せすると、兼業主婦は約三百三十五万円の労働をしていることになります。

 独身女性の無償労働換算額は九十三万七千円、労働時間は七百二時間でした。

 男性の無償労働報酬は五十一万七千円。内訳は、買い物が36・2%(十八万七千円)で一番大きな割合を占め、次いで炊事(21・9%、十一万三千円)、育児(11・3%、五万八千円)、清掃(10・5%、五万四千円)でした。

●30代主婦の負担大

 既婚女性の労働時間を年代別に見ると、専業、兼業主婦ともに労働時間は育児の多い三十代前半でピークとなり、その後は徐々に減っていきます。金額では、専業主婦は三十代後半、兼業主婦は四十代前半がピークとなっていました。

 男性の場合、五十代後半から労働時間が増え、八十代前半でピークを迎えます。金額でも同様に八十代が最高でした。妻と死別するなどし、必要に迫られて家事をする姿が浮かび上がってきます。

 貨幣換算額の男女構成比では、男性の比率がじわじわと高くなり、一一年は男性二割、女性八割でした。ただ、依然として女性の比率が圧倒的に高いままです。

 そこで、無償労働の一部でも外部に委託されれば、女性の社会進出を促進し、経済活性化につながると期待する声があります。たとえば子どもを保育園に預けて、お母さんが働いたり、家の外で活動したりすることで、新たな経済活動が生まれる可能性があります。

 ただ、保育園不足も深刻で、子どもを預けて働くことができるとは限りません。また、保育料に見合った収入が得られるのかという課題もあります。パートなどの働き方では、税金や社会保険料負担などを考え、年収を抑える就労調整が多く見られます。理論通りにいかないのが現実です。

  制作・中島有希

  編集・亀岡秀人

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