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【生活図鑑】

介護保険 低所得者支援(No.468) 負担軽減制度の利用 促進を

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 生活に困窮している人のため、介護保険には利用者負担額を軽減する制度があります。社会福祉法人などが行う介護サービスを対象に、利用者が市区町村へ申請して認められれば軽減されます。しかし、介護保険が始まって10年以上になるものの、約1割の市町村で実施されていません。制度の概要は?

●社会福祉法人の事業

 社会福祉法人は、福祉事業を行う目的から税制優遇されています。このため、介護サービスでは、所得の低い利用者の負担を軽減する制度を設けています。

 利用には年収などの条件があります。住民税が非課税で(1)年収百五十万円以下(世帯員一人増えるごとに五十万円を加算)(2)預貯金などが三百五十万円以下(同百万円加算)(3)日常生活に利用する以外の資産がない(4)親族に扶養されていない(5)介護保険料を滞納していない−の条件を満たす人で、市区町村が認めた場合です。

 認められれば市区町村から利用者に確認証(認定証)が交付されます。軽減割合は、介護サービスの一割負担、施設サービスなどの食費、居住費がそれぞれ四分の一です。

 生活保護受給者は、サービス利用料、食費については生活保護の介護扶助から支給されています。このため、同制度では居住費について全額を軽減します。

 また、八月から生活保護の生活扶助基準が引き上げられたことに伴い、生活保護が廃止された人については、特例措置が実施されています。

 軽減割合は居住費については全額軽減ですが、一割負担、食費については生活保護がなくなったため、四分の一になります。

●実施ない市町村も

 厚生労働省の軽減制度の実態調査(二〇一三年一月現在)では、調査に回答した千七百二十四市町村のうち、制度を実施しているのは千四百五十。認定証発行業務のみ実施が百二十、制度を実施していないのが百五十四ありました。

 制度を実施していない市町村数は、北海道が七十三と最も多く、次いで東京都が十二、秋田県が八、青森県が六などとなっています。

 なぜ、実施していない市町村があるのでしょうか? 財政負担の問題などがあるとみられています。

 利用者負担を軽減するには、軽減費用の1%とそれを超える費用の二分の一を社会福祉法人が負担、二分の一を公費で賄います。公費負担割合は、国二分の一、都道府県、市区町村がそれぞれ四分の一ずつです。

 この仕組みを前提に、社会福祉法人が制度への参加を都道府県、市区町村に届け出なければ実施できません。

 また、社会福祉法人は短期入所生活介護(ショートステイ)や老人福祉施設(特別養護老人ホーム)には参入が多いものの、訪問介護や通所リハビリテーション(デイケア)、福祉用具貸与などでは参入が少なくなっています。このため、制度が実施されている市区町村でも、実施する社会福祉法人によって受けられるサービスが違う状況です。

 市区町村では、ホームページなどで制度の概要や、実施している社会福祉法人の案内などを掲載しています。しかし、認知度は十分とはいえません。

 厚労省は都道府県に対し、(1)未実施の市町村と社会福祉法人に制度への参加を促す(2)利用者の利便を図るため情報公開を進める−よう要請しています。

 編集・亀岡秀人 デザイン・刀祢絢子

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