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【生活図鑑】

主要国の派遣制度(No.471) 一時的雇用で均等待遇が主流

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 派遣法改正の議論が進んでいます。欧州連合(EU)では派遣労働指令により、派遣は一時的で、派遣先労働者との均等待遇が明記されています。主要国の派遣制度はどのようになっているのでしょう。

 派遣労働は、直接雇用ではなく、人が仲介するため、もともと導入に慎重な考えがありました。日本では一九八六年に専門技術を持つ労働者に限って短期間の雇用を認める形で始まりました。その後、人件費削減効果を期待した企業や働き方の多様化などにより、派遣対象は徐々に拡大。原則自由化の流れが加速しました。

 一方で、派遣切りなどに象徴される不安定雇用が問題になり、二〇一二年に日雇い派遣の原則禁止、グループ企業内派遣の八割規制などの改正を行いました。ところが一年余りで再び改正を議論しています。焦点は(1)派遣は一時的、例外的な働き方なのか(2)均等待遇の実施−などです。

●フランス

 フランス、スペイン、イタリアなどでは、派遣など短期雇用を原則的に認めていません。

 フランスでは、派遣は原則(1)社員の欠勤・休職(産休等)の代替(2)一時的な業務量増加への対応(3)季節労働等−のみに許可されています。

 派遣期間も理由ごとに細かく決められています。労働者代替の場合は更新を含め十八カ月が上限です。更新は一回のみ許されています。

 派遣労働者の均等待遇については、派遣先労働者の賃金を下回ってはならないとされています。また派遣終了後には、派遣元が期間中の総報酬額の10%を雇用不安定手当として支払うなどが定められています。

●ドイツ

 七二年の労働者派遣法制定当時は、派遣事業の許可制、派遣の期間制限(上限三カ月)、登録型派遣の全面禁止などの規制が行われました。しかし、経済不況に直面し、〇二年に上限期間、登録型派遣の禁止を見直しました。ただ実際の期間は、パート・有期労働契約法の「上限二年、更新三回まで」が適用されます。

 一方、期間制限の撤廃とともに均等待遇原則を導入しました。派遣労働者には、賃金を含め、主要な労働条件の均等待遇を義務付けています。均等待遇を行わない派遣元は事業許可違反になります。

 さらに、〇八年のEU派遣指令を受け、派遣は「一時的な雇用」と改められたほか、期間制限の撤廃についても見直しが進んでいます。

●中国

 派遣労働者の増加を受け、労働者契約法が一二年に改正され、あいまいだった派遣の対象業務を明確化しました。派遣先にも責任を問う同一労働同一賃金制度や派遣事業参入規制を強化しました。

 また、派遣労働者数が一定の割合を超えてはならないとされました。これを受け、広東省では30%を超えてはならないとしています。

●韓国

 派遣が常時、認められているのは、製造業現場を除いた翻訳など専門三十二業務です。このほか、産休の代替など一時的な場合のみです。三十二業務の場合、派遣期間は最長一年で一回のみ更新可能です。更新を含め、期間の上限は二年です。

 派遣労働者と派遣先の均等待遇では、差別的待遇を禁止しています。また、違法な派遣の場合は派遣先が直接雇用する義務があります。

 このように、主要国では例外措置などがあるものの派遣は一時的で、派遣先社員との均等待遇が一般的となっています。

  制作・亀岡秀人

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