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【生活図鑑】

介護保険 制度改正案(No.472) 自己負担増、どう理解

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 介護保険の制度改正議論が進んでいます。厚生労働省は介護サービスを利用した際、一律1割だった自己負担を一定の所得がある高齢者には2割にする案などを提示しました。介護の負担のあり方を見直す予定です。

●負担基準

 一定の所得のある高齢者は、医療保険の自己(窓口)負担割合が現役世代と同じ三割です。介護保険は二〇〇〇年度の制度発足以来、一律一割でした。しかし、介護サービス利用者が増加するなか、負担能力のある高齢者の自己負担割合を二割に引き上げることが議論されています。

 厚労省案は、高齢者世帯の消費支出と収入を比較して算出しました。年金収入のみで見た場合、(1)単身世帯で二百八十万円(夫婦世帯で三百五十九万円)以上(2)同二百九十万円(同三百六十九万円)以上−のいずれかなら自己負担割合を二割に引き上げるというものです。案が実現すれば、六十五歳以上の約二割(五人に一人)が対象になります。

 二割負担になれば、要介護度の軽い人の負担は二倍になります。ただ、負担の上限(月三万七千二百円)が決まっているため、施設入所などでは上限までの負担になる人が多くなります。

 社会保障審議会では、負担の引き上げについては賛成が多かったものの、基準案についてはさまざまな意見が出ています。たとえば、医療保険の場合、負担割合が上がる基準は単身世帯三百八十三万円、夫婦世帯五百二十万円で、今回の提案とは違いがあります。

 介護サービスの利用にも影響するだけに、慎重な基準設定が必要です。

●補足給付

 介護施設に入所する場合、住民税課税世帯が特養のユニット型個室を利用すると約十三万円かかります。低所得者(住民税非課税世帯)には、食費・居住費の負担軽減(補足給付)を行っています。また、所得に応じた負担限度額が決められています。生活保護受給者などの場合、約七万円が補助され、利用者負担は五万円です。

 給付を受けている人は一一年度末で百三万人でした。認定は、本人の年金収入や所得などで判断し、預貯金や資産は考慮されていません。また、施設入所に際し世帯を分ける例も多く、配偶者に負担能力がある場合もあります。

 そこで厚労省は、本人と配偶者に一定の預貯金がある場合、給付の対象外とする案を示しました。

 具体的には、貯蓄額は単身で一千万円、夫婦で二千万円としました。これは国民年金(年七十九万円)と預貯金一千万円があれば「約十年間生活できる」との計算です。さらに、不動産についても二千万円以上(固定資産税評価額)なら対象外にするとしています。

 しかし、預貯金など金融資産の把握をどのように行うのか。まずは自己申告し、不正受給には罰則を設けるとしています。また、不動産はすぐに換金できるとは限らないため、不動産を担保に貸し付け、死後に回収するなどが提案されています。

制作・亀岡秀人

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