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【生活図鑑】

介護保険見直し(No.473) 特養入所は要介護3以上

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 厚生労働省は介護保険制度を見直し、老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所基準を要介護3以上に限定する提案を行いました。また、症状の軽い要支援者の予防などの事業を、2015年から3カ年かけて市(区)町村へ移す計画です。

●軽度入所者どうなる

 厚労省は、特別養護老人ホームを中重度者のための施設として明確化する方針を打ち出しました。

 現在の入所基準は「介護度合いと家族などの状況を考慮」して決めるとされています。このため、特養入所者約四十二万人のうち、約12%、五万人が要介護1ないし2です。

 軽度者が入所している理由は、調査によると「介護者不在、介護困難、住居問題など」が60%を占め、続いて認知症などが21%でした。必要に迫られて入所が認められたケースが多くありました。

 一方、特養に入所できず、要介護4か5で在宅介護を受けながら入所待ちの人は約六万七千人(〇九年調査)とされています。そこで今回、要介護3以上に限定する案を当初、示しました。

 要介護3以上に限定することについては、地域や本人の状況を考慮し、施設が判断する方がより実態に合っているとして、国が一律に制限することへの批判もあります。

 また、特養入所者のうち要介護1、2の人の割合は、地域によって差があります。都道府県で見ると、奈良、静岡、北海道などで入所割合が高く、沖縄、愛媛などで低くなっています。

 さらに、特養入所者の約80%は低所得者です。仮に、要介護3以上とした場合、既に入所している1、2の人はどうなるのか? 所得の低い高齢者の住まいをどのように確保するのかが大きな課題です。

 こうした批判を受け厚労省は、要介護1、2でもやむを得ない理由がある場合は、特例的に特養への入所を認める修正案を示しました。

●要支援事業は地域へ

 要支援1、2の約百六十万人は、介護保険で状態が悪化しないように予防給付を受けることができます。予防のサービスの種類や内容、運営基準、単価などは全国一律で決められています。

 しかし、市町村の実情に応じて効率的に事業を実施することが、社会保障国民会議などで提案されたことから、事業の移行が提案されています。

 事業を移行する理由として、要支援者は予防以外にも生活支援で多様なニーズがあり、それに応えるためには一律ではなく、市町村が独自に判断してサービスする方が良い。また、市町村の判断でNPOやボランティアなどの参加も促しやすいとしています。

 地方の負担が重くなるのではないかとの懸念に対しては、移行しても財源については介護保険から確保していくことが強調されています。

 地域の実情に合わせ、市町村が判断することは重要です。ただ、市町村によって体制が違い、格差を生じるのではないか、という指摘も出ています。

 厚労省では、一五年度から三カ年かけて実施するとしています。

  制作・亀岡秀人

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