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【生活図鑑】

有期労働者の待遇改善策 周知不足 改正労働契約法(No.475)

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 有期雇用の安定化を図る改正労働契約法の施行から、半年以上がたちました。しかし、有期労働者を対象にした連合の調査では、通算して5年を超えると期限の定めのない(無期)契約に転換できることや、有期を理由にした不合理な労働条件の禁止について、6割以上が知りませんでした。法律の周知不足が浮き彫りになりました。

 改正労働契約法は(1)同じ会社で有期雇用が五年を超える場合、労働者の申し込みで無期雇用に転換(2)契約を反復更新する有期労働者などは、合理的な理由がなければ雇い止めできないこと(雇い止め法理)を明文化(3)有期と無期労働者との待遇に不合理な格差を設けてはならない−が柱です。四月から施行されました。いずれも有期労働者の雇用安定化につながると期待されています。

●9割近く「知らない」

 ところが、連合が週二十時間以上働く有期労働者を対象に調査した結果、上記二つのルールについて六割超が知りませんでした。いずれも、女性と二十代男性で知らない割合が高く、法の周知が十分でない状況です。

 具体的には、無期契約への転換ルールについて63・4%が法制化されたことさえ知りませんでした。また、法制化は知っていても内容を知らないと答えた人を合わせると、約88%の人が法制化ないし内容を知らないことになります。

 また、無期契約の転換ルールについての評価は、半数がやりがいにつながるとしたものの、無期になれば待遇が上がると考える人は18%しかいませんでした。このため、正社員と同じ待遇になるわけではないので意味がないとの答えが68・7%にも及んでいます。

 不合理な労働条件の禁止については、69・9%が法制化を知らず、内容は知らないと答えた人も合わせると約94%にも及んでいます。

 一方、厚生労働省が事前にパンフレットなどで不合理な労働条件の例として挙げた通勤手当については、約八割が支給されていました。同じく食堂利用なども高い割合で実施されています。半面、退職金が支給されるのは18%、賞与は43%にとどまっています。

●違法・脱法行為も

 改正契約法の施行に合わせ、違法・脱法とも思われる企業対応も見られます。

 有期労働者の連合への相談では▽「契約社員は一年ごとの契約で、最長四年までと就業規則が変更された」(六十代男性)▽「契約時に最低でも十年間は働けて、退職金も出るという話だったが、契約法施行を受け最長五年までしか契約更新を行わず、退職金もないと言われた」(三十代女性)▽「四月から契約更新に当たって契約期間を一年、更新は三年を限度とされた」(三十代女性)−など、無期契約転換を避ける動きが見られます。

 本紙にも「就業規則で契約上限期間を五年以内に変えられた」などの指摘が寄せられています。

 さらに、日本経済再生本部などでは、オリンピックを理由に規制改革の一環で、通算五年の無期転換ルールの対象外として、七年間の有期雇用を認める見直しも浮上しています。

 非正規労働者の割合が40%に迫るなか、待遇改善には法の周知と、違法・脱法行為をしない企業姿勢こそが欠かせません。

  制作・亀岡秀人

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