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【生活図鑑】

広がる所得格差(No.477) 改善策 子育て世代に手薄

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 所得格差が深刻です。厚生労働省の調査では、給与などの所得(当初所得)のみの格差は過去最悪になりました。格差の原因は高齢者世帯を中心に、所得の減少した世帯が増加したためです。この格差を年金など社会保障給付で縮小しました。しかし、高齢化が進む一方で子育て世代への支援充実が望まれるなか、社会保障をどのように行うのか、難しい問題です。

 厚労省の所得再分配調査(調査時点二〇一一年、三年ごとの調査)によると、世帯の平均当初所得は四百四万七千円で前回調査から9・1%も減少しました。とくに五十万円未満の世帯が約25%(前回23%)に達するなど、二百五十万円未満の世帯数割合が前回に比べ、増加しました。所得が低い世帯の増加などが影響し、不平等度を測るジニ係数は0・5536と過去最悪になりました。

 ジニ係数と言っても分かりにくいので、所得の順に世帯数を均等に五つのグループに分け、全所得に占める割合を見てみました。その結果、最高所得グループの占有比率は、全所得の55・3%にもなりました。

 これに対し、最低所得グループは端数処理の関係で前回調査に続き0%でした。最高所得グループと最低所得グループの所得に占める割合の格差(倍率)は、前回に続き計算できない状況です。当初所得での格差は、非正規労働問題の拡大や高齢化、単身世帯の増加を受け、拡大しています。

●高齢者への給付大

 当初所得の格差が拡大したため、社会保障や税による所得再分配効果も過去最大になりました。とくに社会保障給付によって格差は縮小し、給付を加えた再分配所得のジニ係数は0・3791になり、改善度は31・5%になりました。

 社会保障の役割の一つは格差の縮小です。世帯主の年齢別の所得再分配状況を見ると、社会保障給付などが加わった再分配所得が当初所得を上回るのは六十歳以上です。とくに六十五歳以上で再分配された所得が多くなっています。これは、現役世代から社会保障など高齢世帯へ所得移転していることが示されています。しかも、高齢世代への所得移転は毎回、増加傾向にあります。

 一方、地域ごとの再分配状況では、若年世代が多い都市部から高齢化が進んだ地方への所得移転が見て取れます。子育て世代などへの社会保障給付などの充実が求められるなか、現役世代と高齢世代というだけでなく、都市部と地方という関係も考えながら、給付を見直すという難しい課題に直面しています。

●消費増税で格差?

 税は所得税など直接税が対象です。社会保障に比べ、税での格差改善は進んでいません。これは、高額所得者の所得税率が抑えられ、緩やかになった影響が出ています。

 一方、一四年四月から消費税率の引き上げが予定されています。消費税率は低所得者に負担が重くなる逆進性があります。このため、当初所得での格差がさらに広がるのではないか、との指摘もあります。

 制作・亀岡秀人

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