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【生活図鑑】

消費増税(No.482) 住宅・車 有利なのは増税前?後?

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 4月から消費税率が現行5%から8%に上がります。政府は低所得者への給付金や住宅、自動車購入などへの対策を実施します。それらの対策は、増税の影響をどの程度緩和してくれるのでしょうか。

 住宅購入は人生で最大の買い物です。住宅の土地部分を除く建物には消費税がかかるので、何の対策もなければ、消費税率引き上げの影響は極めて大きいはずです。

 このため、政府は既に二〇一四年四月からの住宅ローン減税拡充を決め、一三年十二月の経済対策で新たに「すまい給付金」制度を創設しました。夫婦のみの世帯(妻は専業主婦)の場合、おおよそ年収五百十万円以下の人が住宅を購入する場合に十万〜三十万円を給付する制度です。こうした対策による負担減と、増税分を比較すると、増税前と増税後に購入するのはどちらが有利なのでしょうか。

●年収により違い

 みずほ総合研究所が、土地付き住宅のうち住宅部分が64%、総額の六分の五を住宅ローン利用、家族構成は夫婦のみ、または十六歳未満の子どもがいる場合として年収階層別に試算しました。年収六百万円のケースでは、住宅取得価格が三千六百万円、うち建物価格が二千二百九十五万円、住宅ローン利用額が三千万円の前提です。消費税増税分が六十九万円なのに対して、住宅ローン減税の拡充分が五十八万円、すまい給付金がなく、差し引き十一万円の負担増になります。

 一方、年収一千万円では八十万円の負担減、年収八百万円では五十二万円の負担減、年収五百万円では二十八万円の負担増、年収四百万円では九万円の負担減になります。これは、すまい給付金は年収が増えるに従って減少またはゼロになり、住宅ローン拡充分は年収にほぼ応じて増えるからです。つまり、低所得層と一部の高所得層は増税後の方が有利になり、中所得層では増税前の方が有利になります。

 住宅に次いで大きな買い物である自動車はどうでしょうか。購入時の自動車取得税は、車両本体価格の九割に税率を掛けます。普通自動車は現行5%から3%に、軽自動車は現行3%から2%に軽減されます。保有するだけで毎年かかる自動車税は、普通車は変わらないのに、軽自動車は一五年四月以降の新車購入から、七千二百円から一万八百円に増えます。

 どんな車を買うかで違いはありますが、自動車諸税の増減と消費税引き上げを合わせれば、負担増となるケースがほとんどです。とりわけ軽自動車は、公共交通機関が未発達の地方で「足代わり」に使われているだけに、軽自動車税の負担増は家計に響きそうです。

●低所得者対策は「簡素」

 消費税のような間接税は、低所得者ほど実質的負担が大きくなる「逆進性」が強い税です。そのための対策はどうなっているのでしょうか。

 住民税非課税の低所得者世帯(サラリーマンの夫と専業主婦、子ども二人の世帯で、東京、名古屋など大都市圏での年収の目安は二百五十六万円未満)には、一人当たり一万円の「臨時福祉給付金」(簡素な給付措置)が支給されます。ただ、これは一回限りです。

 また、中所得者(年収二百五十六万〜九百六十万円)でも子育て世帯には「子育て世帯臨時特例給付金」として、児童手当の対象の子どもに一人一万円が支給されます。これも一回限りです。

 なお、低所得者対策の切り札ともいわれていた軽減税率は、「税率10%時に導入する」ことで決着しました。

  制作・川北隆雄

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