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【生活図鑑】

新しくなる保育所利用(No.484) 就労基準の緩和 待機児童解消は?

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 待機児童などの解消を目指し、2015年度から「子ども・子育て支援新制度」が始まります。新たに短時間の保育を設けるなど保育の手続き、制度が大きく変わります。

 新制度では、認可保育所の利用を希望する場合、保護者はまず、「子どもが保育を必要としている」という認定を市(区)町村に申請する必要があります。その際、保護者の就労など保育の必要性を示す書類を提出するのは従来通りです。(1)事由(必要な要件)(2)利用時間の区分(3)優先利用−の三つで必要性を認定します。

 利用者の幅広いニーズに対応するため、保育の必要性に関する要件が緩和される見通しです。たとえば、現行制度では保護者の就労について日中のフルタイム勤務を前提としています。しかし、新制度ではパートタイム勤務や夜間勤務など、フルタイム以外も対象になります。さらに、起業準備や求職活動、職業訓練を含む就学、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の恐れがあることも、要件に加えられる見通しです。

 また、「優先利用」の対象としては、ひとり親家庭、虐待の恐れがある場合、生活保護世帯、親の失業、子どもに障害がある場合などが検討されています。

●短時間保育を新設

 新制度では、認定の際、子どもが必要とする保育量について区分が設けられます。フルタイム勤務を想定した「標準時間」(一カ月当たり二百十二時間超二百九十二時間以下)と、パートタイム勤務のための「短時間」(同二百十二時間以下)です。標準時間の場合、一日当たりの利用可能時間は十一時間、短時間の場合は八時間となります。

 短時間保育を利用できる就労時間の下限は、月四十八〜六十四時間の範囲で各市町村が決めます。また、短時間の場合、利用料は標準時間より低額に設定されます。パート勤務の場合でも、フルタイム同様に認可保育所を利用しやすくなりそうです。

 認定は三種類で、▽満三歳以上で保育の必要性がなく、こども園や幼稚園を利用する場合は一号認定▽満三歳以上で保育の必要性がある場合は二号認定▽同様のケースで満三歳未満の場合は三号認定−となります。

 保育の必要性があると認められて二号または三号の認定証の交付を受けた場合、保護者は利用を希望する認可保育所を記入した書類を市町村へ提出します。市町村は申し込みを受け、必要度の高い順に申込者を希望先に割り振ります。

●入所契約は二通り

 保育所へ入所できた場合、契約は二通りに分かれます。公立の場合は保護者と保育所が直接契約を交わし、保育料も保育所へ納付します。これに対して私立の場合、市町村が保育所に保育業務を委託するという扱いになるため、保護者は市町村と契約を交わし、保育料も市町村へ支払います。

 また、新しい制度として利用者支援の担当者を各市町村に配置。選考漏れで待機児童となった場合は、一時預かりなど他に利用できるサービスがないか助言します。

 保育の必要性を認定する際の細かい基準や利用調整の運用方法などは、現場となる市町村に委ねられています。このため、細部がどうなるのかは、新制度が始まってみないと分かりません。

 新制度で保育を必要とする人が安心して子どもを預けられるのか? 保育の充実が期待されています。

    制作・中島有希

    編集・亀岡秀人

  デザイン・佐藤圭美

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