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【生活図鑑】

国民年金保険料の滞納(No.486) 所得400万円以上 強制徴収へ

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 国民年金保険料の納付率は低迷し、60%未満という状況が続いています。このため、2014年4月からは400万円以上所得がある滞納者約14万人に催促状を送付し、応じない場合、財産差し押さえを行う、としています。保険料の徴収強化の具体策は?

 自営業者など国民年金の第一号被保険者は、所得にかかわらず一律月額一万五千二百五十円、年間約十八万円の保険料を納付します(二〇一四年度)。しかし、免除者や納付猶予者を除いた保険料納付率は、一二年度で59%と低迷が続いています。

 第一号被保険者約千九百万人のうち、保険料未納者(二十四カ月納付していない人)は二百九十六万人います。加入手続きをしていない未加入者も九万人いるのが現状です。

●高所得世帯も滞納

 一一年の国民年金被保険者実態調査によると、一号被保険者の就業状況は、無職が39%、臨時・パートが28%を占めています。いわゆる自営業者は、自営業主と家族従業者を合わせても22%にすぎません。

 無職、臨時・パートが増えるなか、保険料を支払わない理由として、滞納者の74%が「経済的に困難」を挙げています。非正規労働の増加で、所得が減少した人も多く、保険料を払えないケースもありそうです。

 一方、世帯所得別に滞納者割合を見ると、所得が一千万円以上で10・5%、五百万円から一千万円未満で17%にも及んでいます。滞納する理由として、「経済的困難」を一千万円以上で56%、五百万円から一千万円未満で70%が挙げています。また、「年金制度、厚生労働省などが信用できない」がそれぞれ23%、15%いました。

 高所得世帯でも経済的困難を理由に挙げる割合が高いものの、年金不信から支払わないケースも多くあります。

 国はこれまで、納付の催促を民間企業に委託するなどして、納付率向上に取り組んできました。保険料滞納者へ特別催告状を送付する仕組みなども整えてきました。

 しかし、保険料に関する専門委員会の報告によると、滞納保険料全体の0・2%にしか督促・財産差し押さえの手続きをとっていません。差し押さえは年間約六千二百件にとどまっています。

●推計14万人が対象

 そこで厚労省は一四年四月から納付率向上策を実施します。

 これまでも目安としてあった「年間所得四百万円以上・十三カ月以上の滞納者」については、全員へ督促状を送付し、指定期限内に未納なら差し押さえなどの手続きをするとしています。徴収対象者は推計十四万人に上る見込みです。

 一方、百円徴収するのに手続きの費用が九十円程度かかり、非効率な側面もあります。このため、差し押さえなどに先立つ督促は、高所得・十三カ月以上の滞納者から重点的に始めて、将来的に滞納者全員へ拡大する考えです。

 「保険料納付は義務」という大原則に戻っての徴収強化で、納付率がどの程度向上するのか? また徴収コストはどうなるのか? 一四年度の納付対策が注目されています。

  編集・亀岡秀人

  デザイン・白井裕子

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