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【生活図鑑】

離婚時の年金分割(No.487) 思ったほど利用されず…徐々に定着か

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 会社員の夫と離婚すると、夫の厚生年金が最大50%分割される−と話題になった離婚時の年金分割。あれから7年がたち、年金分割はどれくらい利用されているのでしょうか?

 離婚時の年金分割は、二〇〇七年四月(専業主婦などへの強制分割は〇八年四月)からスタートしました。当初は、老後の所得の柱である年金の分割とあって「離婚するなら制度開始後に」などと話題になりました。

 分割には二種類あり、合意によって、分割割合を最大50%とする「離婚(合意)分割」(合意できない場合は家庭裁判所での手続きが必要)と、専業主婦など国民年金第三号被保険者からの請求で、〇八年四月以降の厚生年金の50%が強制的に分割される「三号分割」があります。

●10%に満たず

 分割件数は〇八年度が一万三千百五件で、その後増加傾向にあります。一二年度には一万九千三百六十一件になりました。この間、離婚件数は約二十五万六千五百件から二十三万七千件に減少しています。

 年金分割が利用された割合は10%にも満たない状況です。当初、話題になったほどには利用が進んでいないのが現状です。また、制度開始後は離婚が増えるといった見方もありました。しかし、ここ五年で見ると件数は減少、離婚率も横ばい傾向で、制度を理由に離婚が増えたとは言えません。

 その背景には、強制分割以外は原則として合意が必要など、手続きが面倒なことがあるとみられています。

 それでも、利用割合を見ると〇八年度の5・1%から年々上昇。一二年度は8・2%になりました。徐々に利用が定着しつつあるとも言えそうです。

●熟年の割合高く

 分割の内容はどうなっているのでしょうか?

 制度発足前には、熟年(同居二十年以上)離婚が増加していたため、制度開始で急増するとの見方もありました。しかし制度開始後、熟年離婚件数は横ばいから減少傾向です。

 また、離婚した時点での平均同居期間は、一九八五年度以降、ほぼ十年で変わっていません。

 一方、一二年度に離婚分割した人の分割対象期間は、十年以上十五年未満が18%で最も多く、次いで十五年以上二十年未満が17・7%、二十年以上二十五年未満が15・7%でした。二十年以上で見ると48・3%にもなります。分割した年齢では四十代が多く、次いで五十代、三十代の順でした。

 年金分割で熟年離婚が増えたとは言えませんが、「分割利用の半数は熟年離婚者」とは言えそうです。

 分割で年金月額はどのようになったのでしょうか?

 分割された年金の月額は平均三万円です。年金を受給する資格のある人について、分割を受けた場合の平均年金月額を見ると、分割年金を加えても一二年度で月額約八万円です。離婚して年金だけで生活するには十分ではない、と考える人も多そうです。

  制作・亀岡秀人

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