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【生活図鑑】

冠婚葬祭互助会(No.488) 解約トラブル受け 手数料に指針

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 冠婚葬祭互助会との契約の見直しが進められています。解約できない、解約手数料が高過ぎるなどの苦情を受け、経済産業省が解約手数料などの正常化に向けた報告書を作成しました。現状と報告書の内容は?

 互助会契約とは、冠婚葬祭互助会(略称・互助会)と加入者との間で結ぶ会員制の契約です。毎月千円から五千円程度の掛け金を六十から百二十回ほど積み立てて、結婚式、葬祭、七五三、成人式などを執り行うことができます。

 互助会契約は割賦販売法、消費者契約法、特定商取引法の適用を受けます。掛け金の二分の一は法務局または指定金融機関で保全することが義務付けられています。

 業界の推計では、二〇一三年三月時点で事業者数は二百九十社、加入者が積み立てた前受け金残高が二兆三千六百億円、契約件数も二千四百万口と市場が拡大しています。

●葬祭分野、ニーズ拡大

 とくに、核家族化や少子高齢化、生涯未婚率の上昇や、人生の終末は自分で準備するという意識の高まりから、葬祭の分野での社会的役割やニーズを増しています。

 〇九年度における葬祭市場規模は一兆七千五十億円で、そのうち互助会の売上高は五千百七十三億円と、葬祭市場全体の30・3%を占めています。

●苦情・相談3千件

 葬祭市場が拡大するに伴い、互助会の解約に関する苦情も増加しています。消費者庁の「全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO−NET)」に登録された互助会契約に対する苦情や相談は、〇六年度以降毎年三千件を超え、一二年度は三千四百七十七件に上りました。

 「勧誘時に解約についての説明がなかった」「解約手数料が高過ぎる」「外務員等が執拗(しつよう)に解約を妨害する」といった解約に関するものが一二年度は千九百五十八件にも上りました。このうち、六十五歳以上の高齢者が約半数で、〇四年度に比べて約一・六倍に増加しています。性別では女性が約六割を占めています。

 解約手数料をめぐっては消費者団体などによる訴訟にも発展し、「平均的損害」つまり通常必要とされる費用を超えた請求は認められないとした判決が出ました(大阪高裁一三年一月二十五日ほか)。判決を受け、大手互助会を中心に手数料などの見直しを進めました。

●経産省が改善策

 こうした事態に、互助会を所管する経済産業省は消費者庁、消費者団体、業界団体の全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)などと「冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会」を一三年に発足。研究会では、主に解約手数料の算出方法について議論を進め、関係する裁判、互助会契約の具体的内容、苦情と対応の状況、管理や各手続きにかかる費用などを検討。「解約手数料算定の考え方」として報告書をまとめました。

 報告では、解約手数料算出の基準として募集費、入会手続き費、会員管理費、解約手続き費など八つの費用項目を挙げました。これに基づいて解約手数料を見直すよう各互助会事業者を指導しています。

 また▽募集の際に施設の利用法や提供役務等の内容、解約手数料の計算根拠を分かりやすく説明する▽約款パンフレットは写真や図を充実させ、高齢者にも分かりやすくする−といった指導や改善策を進めていき、消費者トラブルの低減を目指します。

 経産省は「消費者は解約手数料などへの関心も高い。報告書の趣旨に沿って契約などの見直しを進めてもらいたい」としています。

    編集・亀岡秀人

  デザイン・高橋達郎

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