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【生活図鑑】

育児休業給付引き上げ(No.489) 会計サポート イクメン増える?

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子育てと仕事の両立を支援するため、2014年度から育児休業給付の充実が図られます。従来、休業前賃金の50%だった給付割合を、最初の半年間は67%に引き上げます。休業中の所得保障の引き上げで、低迷する男性の収得を促したい考えです。

 育児休業給付は、原則子が一歳(保育所に入れなかった、急病など特別な理由がある場合は一歳六カ月)まで、育児のため休業した労働者に支給されます。また、子の両親がそれぞれ育児休業を取得する「パパ・ママ育休プラス」では、子が一歳二カ月まで支給されます。

 しかし、育休取得率は一二年度、女性が83・6%と八割を上回っているのに対し、男性は1・89%と2%にも達していません。

 育児休業給付の受給状況(初回)を見ると、受給者は年々増加し、一二年度は約二十三万七千人でした。しかし、男性は三千八百三十九人です。

 また、平均受給期間は、女性が九・八カ月です。産後休暇の八週間と合わせると、ほぼ子が一歳になるまで女性は休業を取得していることになります。一方、男性は三カ月程度しか取得していません。

◆受給1万人増見込み

 育児休業を取得しなかった理由について「収入が減り、経済的に苦しくなる」を男性正社員で22%、女性正社員で25・3%が挙げました。

 そこで、育児休業の取得を促すため、給付割合を従来の「休業前賃金の50%」から、休業開始後の最初の六カ月間については67%に引き上げます。とくに、最初の六カ月間の給付率を引き上げることで、パパ・ママ育休プラスを利用して男性も育児休業を取得しやすくなるのではないか、と厚生労働省はみています。

 既に、一四年度の育児休業給付対象枠を二十九万人まで拡大。男性の育児休業取得を進める「イクメン・プロジェクト」などの実施状況から、男性の受給者数を試算しました。その結果、厚労省は「男性の育児休業取得は急増しないまでも、中長期では一万人の増加を見込んでいる」と、引き上げ効果で男女それぞれ一万人、合計二万人増加するとしています。

◆パタハラ対策も必要

 給付率の引き上げは男性の育児休業取得の後押しになるものの、それだけでは十分ではありません。

 男性正社員の場合、取得できない理由は「職場の雰囲気」「業務が多忙」「職場などに迷惑をかける」であり、職場環境が大きな問題となっています。

 また、連合が男性労働者を対象に行った調査では「職場に子育てへの理解があると思う人が誰もいない」との回答が45・1%あり、「子どもが生まれたら育児休業を取得したいが、取得できないと思う」が52・2%と、職場の理解が進んでいないのが現状です。

 さらに、子育てのために育児休業を申請したら認めてもらえなかったなどの「パタニティーハラスメント」を11・6%が受けていました。事業主、職場の意識改革が必要です。

◆非正規は取得に条件

 非正規労働者でも育児休業給付を受けることができます。しかし、雇用保険から給付が行われているため、▽同じ事業主に一年以上継続して雇用されている▽子の一歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる−などの条件を満たす必要があります。

 財政面の問題もあり、子育て給付を雇用保険という労使の保険料による財源で行っているがゆえの限界があります。非正規労働者が増加するなか、課題が残されたままです。

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