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【生活図鑑】

20代の国民年金(NO.495) 保険料滞納 低所得対策が不可欠

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 20代では、支払い義務がある人のうち46%、ほぼ2人に1人が国民年金(第1号被保険者)の保険料を滞納しています。滞納が続けば将来、年金が受給できない場合もあります。このため、コンビニエンスストアなど若年層が利用しやすい納付方法を広げています。しかし、若年層の非正規比率が上昇するなど、所得が少ないなか、根本的な対策が必要になっています。

 厚生労働省の調査によると、二十歳代で直近二年間の国民年金保険料を払っていない「滞納者」は25・8%に上ります(二〇一一年)。二十代前半で直近二年の保険料全てを納めた「完納者」は約二割にすぎません。学生納付特例など納付の猶予・免除者を除いた納付義務者で計算すると、滞納者は45・8%に上ります。若年層が保険料を納付する意識を高め、納付しやすい環境を整える必要があります。

 二十代で保険料を滞納した理由として、「保険料が高く納付が困難」がもっとも多く、次いで年金制度や厚労省が信用できないなど「年金不信」「うっかり忘れた」が続いています。

 とくに、年金不信を理由に滞納する割合は、他の世代に比べて高くなっています。また、うっかり忘れたという理由も二十代前半で9%もありました。

●コンビニ納付増加

 保険料は毎年度、金額や納付期限などが記載された通知に同封されて届く納付書を用いて納める仕組みです。このため、国は、国民年金保険料の納付方法の選択肢を増やせば納付率向上につながると考え、対策を講じてきました。

 〇四年二月からはコンビニでの納付、同年四月からはインターネットによる納付が導入されました。その後も〇五年四月からは口座振替による保険料割引制度、〇八年二月からはクレジットカードによる納付へと拡大しています。

 なかでもコンビニでの納付が伸び、一〇年度の千百六十四万件が一二年度は千三百十六万件に達し、現在では千四百万件を超えている状況です。

 厚労省調査によると、中高年層で金融機関の口座振替による割合が高いのに対し、若年層ではコンビニ納付の割合も高い状況です。二十代後半では口座振替の38%に次ぐ30%を占めています。二十四時間いつでも保険料を払えるコンビニ納付は、特に大都市で高い割合となっています。一方、クレジットカード納付も大都市で割合が高い傾向はありますが、コンビニ納付の十分の一程度にすぎません。

●一律月1万5250円

 自営業者など国民年金の第一号被保険者が負担する国民年金保険料は一四年度、所得にかかわらず一律月額一万五千二百五十円で、年間約十八万円の負担です。

 保険料の納付しやすい環境整備を目指すなか、コンビニ納付は若年層に広がってはいます。しかし、収入の少ない若年層にとって保険料を納付し続けること自体に困難が伴います。

 若年層の国民年金加入者では、非正規労働である臨時・パートの比率が二十代前半では約38%、後半でも34%と高いのが特徴です。また、非正規労働にも就けず無職という割合も、他の世代に比べて高くなっています。

 このため、総所得金額は、二十代後半でも納付者、滞納者を含めた全体の平均で七十七万円しかありません。

 若年層で非正規労働など不安定雇用が増加するなか、保険料が納付できないという問題は年金だけではありません。若年層が保険料を納付できないのでは、年金制度に将来はありません。

 社会保障制度のみならず、雇用対策など根本的な若年対策が必要です。

 編集・亀岡秀人

 デザイン・白井裕子

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