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【生活図鑑】

労働組合の組織率(NO.499) 中小はわずか1% 労働環境に影響

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 かつては労働者の半数以上が労働組合に加入していました。その後、労組の組織率は長期低落傾向が続き、2013年では17.7%にまで落ち込んでいます。しかし、組織率を見ると、大企業と中堅・中小企業で大きな格差があります。非正規労働者が増えるなか、あらためて労組の組織率を考えてみます。

 労組の推定組織率は、一九四五年の終戦後は50%を超える時期もありました。高度経済成長期には組織率は30%台になり、七三年の第一次オイルショックを経て八〇年代には20%台に落ち込みました。さらに、二〇〇三年からは10%台で推移しています。

●実態とのずれ

 一三年の組織率は17・7%と、雇用者の約五人に一人しか労働組合に加入していない状態です。しかし、会社によっては労働者の大半が組合に加入しており、低い組織率と実態のずれを感じる人も少なくありません。

 その理由を見てみましょう。

 推定組織率は、組合員数を雇用者数で単純に割って求められています。雇用者には、役員や非正規労働者、臨時・日雇い労働者も含まれています。組合によっては、管理的地位に就くと組合員になれない規定などがあります。また、非正規労働者などは加入できないケースもあります。組合に加入すべき労働者で見た組織率よりも、推定組織率は低くなります。

 組織率の低下の原因に挙げられるのが、非正規労働者の増加です。非正規比率は一三年に約36%と40%に近づいています。

 一方、パートタイム労働者の組織率は九〇年の1・5%から一三年には6・5%へ上昇しています。確かにパート組合員は増えましたが、まだ6%にすぎません。また、派遣や有期雇用で働く労働者など非正規労働者全体で見ると、組合への加入は厳しい状況です。

●大企業では大半が加入

 企業規模で組織率の格差が大きいのも特徴です。従業員千人以上の大企業の組織率は、八〇年代後半には65%あり、一三年でも45%と半数の雇用者が労組に加入しています。管理的地位に就くと組合に加入できないことなどを考えると、大企業では一般労働者の大半は加入していると思われます。

 一方、従業員百人から千人未満の中堅企業では、八三年に31%の組織率でしたが、一三年は13%にまで落ち込みました。百人未満の中小企業では、八三年でも2・6%しかなかった組織率が一三年には1%しかありません。中小企業では雇用者百人に一人しか組合に加入していないことになります。

 組織率が低いとどのような影響があるのでしょうか?

 連合総研が実施した調査(一三年十二月)によると、不払い残業や有給休暇が取得できないなど何らかの違法状態があったのは、企業規模百人未満では35・9%、千人以上では24・4%と差がありました。

 また、労組がある企業では24・3%だったのに対し、労組のない企業では34・9%でした。労組のない企業で、違法状態があると指摘する労働者が多いことになります。労組の組織率の格差が労働環境に影響しているとも言えます。

 規模別雇用者数は、大企業が千百八十万人です。一方、中小企業は二千三百七十万人、中堅企業は千三百九十万人、合わせて三千七百六十万人と全体の約八割を占めています。

 労働条件が向上しなければ、日本経済の成長も難しくなります。とくに中小企業でどのように労使協議を行い、労働条件を向上させるかが課題になっています。

  制作・亀岡秀人

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