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【生活図鑑】

就活ハラスメント(No.503)  差別につながる質問 横行

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 大学生の就職活動で、「家族に関することをしつこく尋ねられた」など差別につながる質問が後を絶ちません。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用した就活も増え、新たな問題も起きています。就職差別、”就活ハラスメント”と思われる事態はどのようなものでしょうか?

 二〇一四年三月に卒業した大学生の就職率は94・4%(前年同期比0・5ポイント上昇)と、わずかに好転しました。

 一方で、面接などで、就活ハラスメントとも思われる事例もあります。

 厚生労働省は、新規学卒者採用に関する指針や公正な採用選考のための考え方で、次のことを就職差別につながると指摘しています。

 本人に責任のない事項の把握として「本籍・出生地」「家族のこと」など。また、思想信条にかかわることの把握として「宗教」「尊敬する人物」などを挙げています。これらは面接の質問だけでなく、エントリーシートを含む応募用紙で記載させることも、差別につながるおそれがあるとしています。

 しかし、連合が二十〜二十五歳を対象に行った調査(四〜五月実施)では、面接などで就職差別につながる質問が横行していました。

●4割が「家族聞かれた」

 「面接で、応募シートに家族構成、親の職業等を書かされた」(男性)など、家族の職業、健康、地位、学歴など家族のことを聞かれた人は四割を超えていました。

 また、本籍・出生地についても35%が質問された経験がありました。生活環境や家庭環境についての質問も三割ありました。

 思想信条についても「尊敬する人物は誰ですか」や「あなたの信条としている言葉は何ですか」といった質問をされた割合は、それぞれ三割を超えています。また、購読雑誌、購読新聞などの質問が一割以上ありました。「労働組合をどう思うか」などの質問も6%が受けていました。

●結婚・出産後も働く?

 男女雇用機会均等法に触れる質問も相変わらず多くなっています。

 「結婚予定を聞かれた」(女性)など交際関係の有無の質問や、結婚・出産後も就業するかなどの質問がありました。

 とくに、交際関係、結婚予定についての質問は、男性が13%だったのに対し、女性は16%でした。さらに、結婚・出産後の就業意向の質問をされたのは、男性が4%だったのに対し女性は27%もありました。ある人事担当者は「長く勤めてもらいたいので、とくに女性には結婚後などの就業意向を確かめざるを得ない」としています。

 このほか、厚労省の新規学卒者の採用の指針では、採用の合否については速やかに連絡することとされていますが、連絡がないケースも多くありました。

●SNSの利用も拡大

 採用、就職活動で企業も学生もSNSなどの利用が広がっています。

 調査でも、企業の公式アカウントのフォローなどで三割強がSNSを利用していました。一方、「プライベートな情報は知られたくない」などの理由で利用しなかった人も69%いました。

 利用した人のうち「企業側に見られたくない投稿を削除した」「本音を書くアカウントを特定されないようにした」など、対策を行った人もいました。

 これは、企業の人事担当者などがSNSを閲覧し、その内容が採用の合否につながる場合もあるといわれるための対策です。

 就職差別につながる恐れの事例では、身辺調査や信条調査などが挙げられています。しかし、SNSなどの利用が広がり、新たな問題も生じそうです。

 制作・亀岡秀人

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