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【生活図鑑】

高齢者の定義(No.506) 「何歳から」制度によりさまざま

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 厚生年金の支給開始年齢の引き上げやそれに伴う定年の見直し、後期高齢者医療制度の導入など、少子高齢化に合わせて制度の対象年齢引き上げが実施されています。長寿社会の日本では、高齢者や高齢化の定義はどうなっているのでしょうか?

 人口がどの程度高齢化しているのかを把握するため、国際的に広く用いられているのは六十五歳以上の人口に占める割合です。国際比較の観点から、総務省の人口推計でも六十五歳以上を「老年人口」とする区分が用いられています。

●引き上げる傾向

 一方、制度的な対象年齢の見直しでは、数次にわたって厚生年金の支給開始年齢が引き上げられてきました。厚生年金の支給開始年齢は当初、男女とも五十五歳でした。時代とともに、年齢が六十歳に引き上げられ、現在は六十五歳への引き上げが進んでいます。

 一方、医療保険では一九七三年に老人医療費の無料化が実施された際、「若人」と「老人」を七十歳で線引きして、患者の自己負担額などが規定されるようになりました。二〇〇八年には後期高齢者医療制度が始まり、七十五歳以上が加入する独立した保険制度が発足しました。

 この間、平均寿命で見ると、四七年は男性五〇・〇六歳、女性五三・九六歳でした。その後、医療の進歩などで、一二年には男性七九・九四歳、女性八六・四一歳まで延びています。

●国連では明示せず

 法令データベースで検索すると、高齢者を対象とする法律は百九十六あります。高齢者居住安定確保法は六十歳以上、介護保険法などは原則として六十五歳以上を対象としています。高齢社会対策基本法は年齢について規定していません。

 また、高齢者に関して、国としての明確な定義はありません。これは、国連や世界保健機関(WHO)でも同じです。

 例えば、高齢化率が7%超で「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、21%超になると「超高齢社会」と呼ばれることもあり、国連やWHOが定義したとされています。

 しかし、国連は「国連として高齢者や高齢化の定義はしていない」、WHOも「WHOが定義したものではない」としています。

 国連によると、五六年の国連の報告書で、先進国を念頭に高齢化率が7%を超えた場合を高齢化社会としたのが唯一、統計的な記述としています。

 ただ、一般的な目安である先の高齢化率の基準に沿ってみると、日本は七〇年に7%超、九四年に14%超、〇七年に21%超となり、さらに一三年には25%に達し、急速に高齢化が進んでいることが分かります。

 また、団塊世代を対象にした一二年実施の意識調査では、「高齢者とは何歳以上か」の問いに対して、「六十五歳以上」という回答は約一割にとどまり、四割強が「七十歳以上」、約四分の一が「七十五歳以上」と答えました。

 五十五歳以上を対象にした調査(一二年)では、「支えられるべき高齢者とは何歳以上か」の問いに対して、「七十五歳以上」が28・7%、「八十歳以上」が26・7%で、両方で全体の半数以上を占めました。

 時代とともに高齢者像は変化してきました。急速に少子高齢化が進むなか、今後、高齢者政策をどのようにするのか、難しい問題です。

制作・中島有希

編集・亀岡秀人

デザイン・佐藤恵理

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