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【生活図鑑】

相続税(No.508)  配偶者控除で負担軽減

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 2015年からの相続税の基礎控除の縮小で、課税対象が広がり、これまで非課税だった人も、課税される可能性が出てきました。とりわけ地価の高い東京、名古屋、大阪など大都市の中心部に土地付き住宅を持つ人の場合は、課税の可能性が高まります。とはいえ、相続税の配偶者控除などを利用すれば、ある程度負担を軽減することもできます。

 相続税負担が上昇する最大の理由は、基礎控除の縮小です。現行の基礎控除は、五千万円プラス法定相続人数×一千万円です。しかし、二〇一五年からは三千万円プラス法定相続人数×六百万円へと引き下げられ、六割になります。

●課税対象者が拡大

 その結果、法定相続人が妻と子ども二人、計三人の場合、現行は遺産が八千万円までは非課税ですが、来年からは四千八百万円超なら課税されます。例えば、遺産八千万円を法定相続分通り妻が二分の一、二人の子どもが四分の一ずつ相続すると、三千二百万円が課税対象額となります。

 これまでは全国平均で死亡者数の4%程度が課税対象だったのが、今後は6%台に上昇するとみられています。東京、名古屋、大阪の三大都市圏では、その割合はさらに高まります。

 さらに、相続税率そのものも上がります。これまでの最高税率が50%だったのが、55%になります。ただ、この最高税率が適用されるのは課税対象の遺産額が六億円を超える場合で、かなりの富裕層に限られます。

 このように相続税負担が増すのは事実ですが、妻が相続する場合は、配偶者の相続税額の軽減措置(配偶者控除)を利用すれば、負担は減らせます。

 配偶者控除が適用されるのは、一億六千万円または法定相続分の多い方です。つまり、基礎控除を差し引いた後の遺産額が一億六千万円以下なら、妻が全額相続しても相続税は免除されます。

 また、基礎控除後の遺産額が一億六千万円を超えても、妻の法定相続分(相続人が妻と子どもの場合は二分の一)以内なら、やはり免除されます。妻が亡くなり、夫が相続する場合でも、同じことです。

●2次相続も考えて

 配偶者控除を最大限に利用すると、妻の相続税負担は軽減できるものの、その後、妻も亡くなり、その遺産を子どもたちが相続する「二次相続」で、かえって負担が重くなることがあるので、注意が必要です。

 例えば、来年一月以降で亡夫の遺産額が八千万円、相続人は妻と子ども二人のケースを見てみましょう。まず、妻が全額相続した場合、相続税は免除されます。その数年後に妻が死亡し、遺産額は八千万円のままで二人の子どもが半分ずつ相続すると、相続税は二人合わせて四百七十万円かかります。

 一方、一次相続で法定相続分通り、妻が半分の四千万円、子ども二人がそれぞれ四分の一の二千万円ずつを相続した場合は、妻は納税の必要はありませんが、子どもにはそれぞれ八十万円、計百六十万円課税されます。

 しかし、妻も亡くなり、四千万円を子ども二人が相続する場合は、基礎控除の範囲内なので、相続税はかかりません。一、二次相続合わせて百六十万円ですから、先のケースよりも負担は軽いのです。

 ただ、亡夫の遺産は妻の貴重な生活手段。相続税負担だけではなく、妻の生活なども考慮して相続すべきでしょう。

●小規模宅地の特例

 地価の高い大都市圏などでは、小規模宅地の特例を利用することで相続税額を軽減できます。

 被相続人の配偶者や同居の親族が相続し、条件を満たせば、土地の評価額を八割減として税額を計算します。これなら、大都市中心部の高い土地でも意外に相続税は高くなりません。

 一五年からは対象の土地面積が広げられます。三百三十平方メートル以下なら特例を利用できるようになります。

 制作・川北隆雄

 編集・亀岡秀人

 デザイン・高橋達郎

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