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【生活図鑑】

有給休暇(No.509) 低い取得率 職場環境に原因

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 日本人は働き過ぎ、と言われます。とくに、有給休暇の取得率は2013年で47.1%にとどまり、ほぼ100%取得する欧州主要国などと比べ、休暇がとりにくい国として知られています。取得できないのは、職場環境などの問題があると指摘されています。

 休めないのか、休みが少ないのか? 日本人は休暇をとらずに働いているイメージが定着しています。

 そこで、まず休日数を主要国と比べてみます。土、日や有給休暇など年間休日数で見ると、日本は一三七・三日と、英国とほぼ同じで、ドイツ、フランスなどにも見劣りはしません。物理的に休日が少ないわけではありません。

 休めていないのは、休日のうち、有給休暇を取得できていないためです。取得率の推移を見ると、一九九〇年代前半は55%を超えていました。その後、低下傾向が続き、二〇〇〇年以降は50%を下回っています。欧州主要国の有給休暇の取得率は、ほぼ100%です。

●取得ゼロ日も

 企業規模では、大企業ほど有休の取得率が高くなっています。また、業種では格差があります。電気・ガスは70%を超えている一方で、宿泊・飲食サービス業は30%未満でした。

 労働政策研究・研修機構の調査によると、有給休暇の日数は平均二四・六日で取得日数の平均は八・一日でした。機械的に計算すると同調査での取得率は33%になります。

 また、取得日数別の割合を見ると、十五日以上が20%以上いるものの、全く取得しなかった人が16%を超えていました。欧州主要国では、取得しないのは考えられないことです。

 有休取得ゼロ日の割合が高いのは、若年者、勤続年数が短く有休日数が少ない人でした。また、週当たり労働時間が長い(残業が多い)労働者(正社員)ほど有給休暇の取得率は低い結果が出ています。

 先の業種を見ると、週の労働時間が六十時間以上の雇用者割合が多い業種と重なっています。ブラック企業などが問題になるなか、長時間労働と有休取得率は密接に関係していることがうかがえます。

●「他の人に迷惑」

 有休をとらない理由は「病気などのために残す」のほか、「他の人に迷惑がかかる」「仕事が多すぎて休めない」「引き継ぐ人がいない」など職場の問題を挙げる人が多くなっています。厚生労働省の調査でも同様に有休取得へのためらいが浮き彫りになっています。

 また、内閣府の調査では、有休を取得しない人ほど、「上司は有休を取得している人を『仕事より自分を優先する人』と評価している」と考えていました。一方、長時間労働割合が高く、有休取得が進んでいない飲食、小売、建設、運輸業では「与えられた役割を果たしたうえで有休をほとんど取得する人」の人事評価として、7%超でマイナス評価としていました。評価せず(考慮しない)は84・5%。プラス評価は5%未満にすぎませんでした。

 結局、有休が取得されない理由としては、労働者がためらいを感じているほかに、企業もプラス評価しないなどが影響しているようです。

  制作・亀岡秀人

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